これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

漫画『新電人アロー』3巻

 

一峰大二先生の『新電人アロー』3巻を入手、読了。11月15日から神保町の書泉グランデで販売開始との情報を耳にして書店へ急ぎました。書店に並ぶ見た事が無い表紙の『電人アロー』を見つけて、アロー兄さんを応援できる喜び、そして一峰先生の新作を現在進行形で追える幸せに身が耐えきれず、もれなく興奮で酸欠に。(恒例行事) 以下、極度のネタバレは控えますが新アローの特性や新たな登場人物について言及している為、一部ネタバレ注意。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20201118211457j:image↑ 新刊『新電人アロー』3巻。(左) 3巻発売に合わせて数量限定で販売されたサイン本(1巻)も無事に入手。(右)

 

前巻、電人アローはカッターマンとの決戦を通じて宿敵Xファイターの復讐劇に終止符を打った。しかし既に新たな刺客がアローを狙って暗躍を開始する…。期待と不安が混同した複雑な心境で迎えた3巻。特筆すべきは、ブラックミスト(黒い霧)団の復活。Xファイターに続いて既存の敵役が時を超えて再来したのである。『電人アロー』が連載されていた月刊誌「少年」1965年2月号の別冊付録で初登場を果たしたブラックミスト団は、生物学者の黒沼博士が指揮を取る犯罪組織だった。恐竜の化石が眠る赤い風穴の占領計画を邪魔する電人アローの抹殺を目論み、特殊ヘリコプターやライフル、鉄の粉と電磁場を併用したアロー捕獲装置を駆使する。所属する団員の行動の権限は名誉に溺れた黒沼博士が握っている為、彼の死を以て組織は解散したかと思われた。しかしブラックミスト団は根絶していなかったのだ。本作では「黒い霧」を「ブラックミスト」と当て読みせず字義通りに改称。トレードマークの特殊なマスクが同型な上にアローの模型を作りがちな観点からも同組織だと思われるが、真相は不明。新たな首領も謎である。黒沼博士率いるブラックミスト団は実態が不明瞭な組織だった一方で黒い霧団は戦闘機や戦車の製造を務める「兵器産業の集団」として機能しており、膨大な兵器を消耗する戦争によって事業が活性化する。その為、落電を蓄電してエネルギー源に変換する新技術を身に着けた希望と平和の象徴である電人アローの存在は黒い霧団にとって妨害者に他ならない。彼等はアローの新技術に嫉妬している訳でも無ければ、近未来の退廃を切望している訳でも無い。収入の減少、即ち生活を破壊される不安と恐怖を乗り越える為に世界からアローを粛清しなければいけない。こうした敵側からの観点でアローの存在に注目すると敵側の主張と信念が顕在化し、一概に敵対する者を憎めないのだ。3巻には黒い霧団の他にも、アロー抹殺の為に黒い霧団が総力を結集して創造した殺人ロボット「キラーX2」が新登場する。(冒頭の製造描写からキラーX2は単なるロボットではなくサイボーグではないかと推測しているが真相や如何に。) 瞬発力、跳躍力、破壊力等のあらゆる能力を体得した鋼の体を持つキラーX2は2つの秘密兵器を駆使してアローと拮抗した戦いを展開。脅威的な秘密兵器でアローがピンチに陥るのだが、電気エネルギーを吸い取るV1号のトラウマが蘇ったよね。無数の針をアローの体内に侵食させてエネルギーを吸収する能力をキラーX2に与えた黒い霧団の洗練された高度な技術力が発揮されている。やはり利夫博士の手によってアローが超高性能の蓄電池を装備したのは画期的だなあ。落雷から充電した後に放つ壮絶なエネルギーに溢れた電光スピアの威力と臨場感は新アローだけの特性だもの。あと、信号銃の再登場に泣いた。最終回(旧作)の利夫君がフラッシュバックして泣いた。益々見逃せない新アロー、AI世紀のキラーX3とは?黒い霧団の首領は一体?僕の両目はもはや「アロー兄さんの新たな活躍を拝む為の臓器」と云っても過言ではあるまい…。(怖い)

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20201119233213j:plain↑ 月刊少年漫画雑誌「少年」1965年2月号別冊付録より。初登場時のブラックミスト(黒い霧)団。アスパラ兄さん。