これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

BOOK&MAGAZINE社さんの同人誌

 

岡里幸助さんより素敵な御手紙と共に「日本ロボット少年期」、「SF怪獣群像」、「大図解時代 Part2 怪獣SF編」(BOOK&MAGAZINE社発行の同人誌)を御恵贈賜りました。

 

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いやもう本当、御気持ちだけで十分光栄過ぎるのに、わざわざ御手間を取らせてしまって、素直に喜んで宜しいものか.......、恐縮至極です。(←本当はとても嬉しい。)

SF、特撮、怪獣、ロボット、と表紙のワードのみで十分血が滾るのだが、ページを捲って吃驚、想像を絶する情報量。少年誌に掲載された作画を主題に、絵だけでは読み取れない作家や作品の解説、時代背景等の補足、著者の論考を交えた非常に資料性の高い同人誌です。SF系少年文化の研究活動の一環として此方の同人誌を制作なされたそうで、怪獣ブームを始め、凡ゆるブームを助長する為の情報源兼娯楽として機能していた1960年代中期の少年雑誌を支えた挿絵や図解等の作画に特化した内容です。貴重な資料も然る事乍ら、ビギナーの理解を助ける詳密な解説の御蔭で非常に内容を愉しむ事が出来ました。紙媒体から生まれる表現、情報の亭受、可能性は未知。二色刷りの図解とかSFの読み物とか怪獣の内臓に興奮する僕にとって、正しくこんなの待望してたよ!でした。商業誌として十分成立する筈。当時の少年誌って有名な作品や著者であれば既に復刻本が商業誌で出版されていて、手にする機会を得られますが、(例を挙げるとすれば、小学館の「学年誌ウルトラ伝説」とか河出書房の「怪獣博士! 大伴昌司「大図解」画報」等。) 所謂マイナーに分類される突発的な企画やキャラクターは、復刻される機会を取得出来ないままオリジナルを手にするしか手段がないのが現状です。僕の周りに居る同志は評価して愛好している者が多い印象ですが、まだまだ再評価が待たれる媒体の1つでしょう。

「日本ロボット少年期」(2015年5月23日脱稿)は、ロボットの概要、起源から始まり、戦記ブームを経て軍事的な機械や兵器がロボットに託され、次第に形を変えながら、人間に近しい存在へと変化していく傾向を1960年代の少年雑誌上の企画及び作画やプラモデルの箱絵、海外の雑誌など多種の絵図を用いて解説し、経緯を可視化。『8マン』人気の重要性、相澤次郎氏のロボットへの情熱、人類史上初の月面着陸の影響等、対象の絵図のみでは理解し難い背景の詳説が充実しています。軍事評論家の小山内宏氏が構成を担当したロボット怪獣陣がスゴイ。君は水中用ロボット怪獣ギョララを知っているか!ロボットと人間の交流を描いた眉村卓氏の「ひみつロボット物語」や大伴昌司氏の「ロボット感動物語」なんて、現代我々の生活に蔓延るAI(人工知能)搭載ロボットに近似的な空想です。ロボットの発展は人類の希望とするか、脅威とするかの論議は50年以上前の少年誌上でも交わされていたのですね。

「SF怪獣群像」(2016年2月28日脱稿)は、大伴昌司氏、成田亨氏、高山良策氏の言わずと知れた偉人の特集から始まり、少年キング図解班構成の「ガマゴン対ガニリ」等のオリジナル怪獣陣、日東科学教材東京マルイ、有井製作所等のオリジナル怪獣によるプラモデル、少年誌上に出現した珍しいオリジナル怪獣を中心に纏められています。所謂、周知されたメジャー怪獣ではなく単発的に企画され、以降日の目を見ないまま忘れ去られてしまう運命にあるマイナー怪獣達に比重を置いた特集です。単純に商品として生産されたプラモデルの箱絵だったり、絵図と簡単なプロフィールが添えられている企画から、絵物語や小説として成立している企画まで。他誌への対抗心さえ見据える程に各誌意欲的な熱量が伝わるボリューム。珍しい怪獣との出会いは、沢山の三つ葉のクローバーの中から四つ葉のクローバーを見つけた時の気持ちに近い。人間の真理として珍しい出来事や非凡に遭遇した時、特別な感情を抱くのは誰しもが体験した事があると思いますが、それに近いです。怪物ミイラとマンモス仁王が仲良く一緒に踊る!凄いぞ!「怪獣怪人ゴーゴー大会」!丁度、僕が今調査している森永製菓の「怪獣大戦争」についても触れられており感動。バミラと「少年画報」の関連性他、非常に参考にさせて頂きました。

「大図解時代 Part2 怪獣SF編」(2018年4月1日脱稿)は、国内海外産問わず映画やテレビドラマを中心に構成された一冊。『ウルトラQ』を始め『マグマ大使』や『タイムトンネル』や『サンダーバード』、『宇宙家族ロビンソン』等、海外産の特撮SFドラマと日本独自の特撮SFドラマが交錯していた1966~1967年の図解を主軸に、少年誌での図解特集の衰退とその後の歴史までの細部に至るまで論及されています。守備範囲が非常に狭いので特に海外作品の図解は「元ネタが解らん(出直せ)」作品が多くて誠に不甲斐ないのだが、大伴昌司氏構成の少年キング図解特集「21世紀の怪人」が熱い。人猿クジラって本当に何なのだ。(困惑)

 

今後、新作「大図解時代 Part4 科学妄想編」を、8月15日に中野サンプラザで開催される資料性博覧会13にて委託頒布予定との事です。「科学妄想」と云うと、『透明人間』とか『ガス人間第一号』を想起する東宝脳ですが、果たして図解となると?愉しみです。みんなで読もう!