これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

森永製菓「怪獣大戦争」に関して

 

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第一次怪獣ブームの最中、森永製菓がオリジナル怪獣のドラマを収録したレコードを配布した販促キャンペーン「うごき さけぶ ワンダーレコード 怪獣大戦争」について。1967年に開催されたキャンペーンだそうで、森永製菓のミルクキャラメルの内箱とスキップチョコの外箱、そして切手30円分を封筒に入れてポストに投函すると、怪獣のドラマが収録されたレコードが必ず贈呈された夢のような企画である。(正式なキャンペーン期間は広告の掲載雑誌等を追えば推測出来そうですが、図書館閉館中で(´・ω・`)ショボーン…) ただのレコードではなくて、約11×11cmのワンダービューカード(「シネラマカード」とも云う?)の裏面にフォノシートを貼り付けた独特な構造。ワンダービューカードは、角度によって複数のイラスト(写真)が動いて見える表現力の高い特殊なレンチキュラー印刷です。シートに収録されたドラマは、約4分。レコードやフォノシートと呼ぶのに違和感を覚えるので「ワンダーレコード」と呼称する方が妥当だろうか。市場を見る限り、当時相当数配布されたようですが、兎に角もう経年劣化による湾曲が酷いので、入手しても聞けない場合もあるだろうし僕は力尽くで反対側に曲げたらレコード部が割れて1枚破損してしまった。よい子のみんなは真似しないでネ!「電光熱線怪獣 エレキドン」(No.1)、「アンドロ星雲怪獣 リモゴン」(No.2)、「火星人地球征服作戦」(No.3)、「地球防衛軍少年隊 バミラ自爆作戦」(No.4)の全4種類。他、異なる怪獣の絵柄が少年誌上の広告で告知された事実もあるが、実物が市場に一切出ないので、No.4を最後に以降は未製作説が有力です。上述の通り、ワンダーレコードに収録されたドラマに登場する怪獣は、森永製菓のオリジナル怪獣。レコード面のクレジットによると、企画「M.M.プロダクション」、制作「WONDER・VIEW CO.LTD」、コピーライトはNo.1~3が「W.P.D」、No.4「少年画報」。制作のWONDER…は、同時期に販売されていた森永のトコちゃんキャラメルに付属したおまけカード(ワンダービューのミニカード)のコピーライトと同じ。そもそもワンダービューの怪獣カードをメインに制作してた会社なのか。M.M.プロダクションは、企画の為に森永の中で生まれた一時的な団体?正体不明。著作権元のW.P.Dも謎。「W」は制作に携わったワンダーだと憶測も出来ますが。No.4のコピーライト「少年画報」は、少年画報社の月刊誌「少年画報」かな。該当ストーリー若しくは怪獣が「少年画報」誌上に何らかの形で掲載されていたとか?調べないと解りません。以上、クレジットの情報も少ない上に会社や団体の存在が不明瞭なので、ワンダービューカードの画伯は何方なのか、収録ドラマの出演者は誰なのか、挿入されたBGMやSEは何方が手掛けたのか、消費者へ重要な情報を一切与えないハードな仕様。取り敢えず、現存企業の森永製菓に問い合わせたが「情報が残ってないので、回答出来かねます。」と、当然の御回答を頂戴しました。何を期待して森永に凸ったんだよ、僕。 さて、怪獣ブームは社会現象なので、あらゆる媒体に影響を及ぼして怪獣が量産され、量産に伴い負の産物が誕生した事は薄々理解しているつもりですが、中でも森永製菓が世に出したオリジナル怪獣の面々は、短時間のドラマでありながら怪獣の個性と特徴が丁寧に描かれている印象。物語に関しても各々舞台や世界観に変化をつけているので、バラエティに富んだ作品群として非常に完成度が高いと思う。以下、各話及び登場怪獣の概要です。

 

  • 【No.1】電光熱線怪獣 エレキドン

[登場怪獣]エレキドン(電光熱線怪獣)

[特徴]ニューヨーク 死の都と化すー 月写真の不手際か?怪獣出現! 別名:電送怪獣 出生地:月の裏側 身長:150メートル 体重:10.000トン 食物:石油・石炭・ウラン ①衛星ルナーオビターから電送されてしまった月世界の怪獣。②皮膚の下の発熱帯から放射能発射。③一吹き三万人を殺す熱光線を吐く。(※森永トコちゃんキャラメル付属カードに掲載された情報)

[舞台]ニューヨーク

[概要]PM7:00を告げる鐘の音-日が暮れず、異様な暑さに襲われて異変を察知する市民の前に、突如閃光と共にサイレン音の様な奇怪な音が響き渡る。間もなく地割れと共にビルが崩れ、エレキドン出現。緊急ダイヤルを受けた国際特別機動隊本部は、直ちに救援隊を派遣し、ファントム1号(戦闘機?)へ、APQテレビレーダーでニューヨーク東北部を打ち出すように指令する。現場に急行した救援隊はエレキドンのデータを報告。「およそ身長150メートル、体重1万トン、口から発信される電光熱線は、3キロに及んで威力を発揮。」エレキドンは、ニューヨーク中心部へと進行。その頃、ホワイトハウスからニューヨーク市民へ避難指示が発令され、機動隊によるエレキドン攻撃が開始した。しかし、スパイダージェット戦闘爆撃隊のミサイル攻撃は効果なし。エレキドンの電光熱線で溶かされてしまうのだ。2段階の攻撃に対して効果が一向に見られなかった為、スパイダージェット第4中隊司令機は、ミサイルを電気光線撃滅(絶滅?)兵器ゴムピエンドル(「ゴムピレイド」、「ゴンピレイド」とも聞こえる…)噴射液に取り換え、エレキドンの背後から電気光線撃滅兵器を発射。命中。続けて第2弾を打ち込み、無事エレキドン退治成功。

 

  • 【No.2】アンドロ星雲怪獣 リモゴン

[登場怪獣]リモゴン(アンドロ星雲怪獣)

[特徴]自衛隊特車部隊 緊急出動!決壊の危機迫る黒部ダム 別名:ロボット怪獣 出生地:火星人製造侵略ロボット 身長:100メートル 体重:15,000トン 食物:電波 ①地球攻撃の火星宇宙船からの遠隔操縦で狂暴な破壊力を発揮。②全身の角から放射能を発射。③ひとにぎりで戦車もつぶす怪力。(※森永トコちゃんキャラメル付属カードに掲載された情報)

[舞台]黒部ダム

[概要]宇宙より未確認の怪しい電波音を探知した地球防衛隊本部は、宇宙電波局の西野博士へ解読を依頼。西野博士は直ぐ、謎の電波音をコスモブリタントランスナンバースリー(翻訳機)にかけた。「地球人に告ぐ、地球人に告ぐ。我々はアンドロ星雲の地球攻撃隊である。これから我々の送ったリモートコントコール怪獣リモゴンをもって黒部ダムを攻撃するー」内容は地球への宣戦布告であった。地球防衛隊本部より発令を受けたマッハ30航空隊、61戦車隊、宇宙科特隊は、黒部ダムへ急行。アンドロ星雲の地球攻撃隊が召喚したリモゴンに立ち向かうが、戦車隊の90ミリ砲は効果なし、航空隊は接近を試みるも次々に機体が叩き落されてしまう。攻撃作戦指令の依頼を受けた西野博士は、リモゴンがアンドロメダの電波で操作されている点に着目し、リモゴンに付いてる受信アンテナを探るように、宇宙科特隊へアンテナ探知機の起動を指令。そして、科特隊の調査により、リモゴンの先端に付いたアンドロ合金の角が受信アンテナだと発覚した。航空隊の集中攻撃により、受信アンテナの破壊に成功。

 

  • 【No.3】火星人地球征服作戦

[登場怪獣]火星人

[舞台]火星

[特徴]体長約1ミリのミクロ火星人 高等生物 宇宙制覇を狙っている 歌が好き

[概要]地球の火星探検ロケットが火星に不時着した。ロケットの中には地球人が6人搭乗していたが、火星の外気圧のショックにより気を失っていた。体長1ミリのミクロサイズである火星人にとって、地球人は1700倍背が高い。火星人は、ロケット内の発信装置を調べて、火星観測のテープを翻訳機にかけた。「こちら火星探検ロケットマルス1号。ただいま火星上空2キロ地点。逆噴射に移ります。既に打ち込んだサブロケットの○○○(←聞き取れません。)観測では、火星上の生物は約1ミリの下等動物だけのようです。…な、何が起こったんだ?逆噴射ロケットが破損しました。このままでは火星表面に…ああっ!」地球人の声を聞いた火星人は、自らを「進化した生物」だと自負した後、地球侵略を意気込む。火星人合唱。「~♪オイラはな オイラはな たとえ~体はちっちゃいけれども~今にみておれ~ミクロンだ・ま・し・い♪ きっと宇宙を制覇する~オイラは火星の暴れん坊~♪(それいけ~♪)」火星人は、地球人の脳髄に潜り込んで地球侵略を目論む。地球人1人の脳髄へ、火星人は約1万人に侵入出来るのだ。地球人の脳髄に侵入した火星人は気絶している脳を使ってロケットを操作。ロケットが地球に辿り着いた時、地球人の脳髄に侵入した火星人6万人が忍び出て、政治家や科学者等の脳髄に再び寄生した時、地球は火星人の支配下にあるだろう。「見ろ!飛んでいくぞ!お前たちのロボットが、お前たち地球人を滅ぼす為に!」

 

[登場怪獣]バミラ

[舞台]九州、京浜工業地帯

[特徴]テレパシー能力を持つ宇宙怪獣(子供には効かない) 目から原子分解光線を出す

[概要]前日、九州に出現した巨大な宇宙怪獣バミラは、目から出す原子分解光線で各地を焼き払いつつ北上。遂に京浜工業地帯に侵入した。地球防衛軍は総力を挙げてバミラ攻撃を加えるが、被害は益々増大する一方だった。ロケット部隊出動、原子ミサイル部隊出動………作戦が見抜かれているかの如く、孰れも出動前に基地がバミラによって攻撃されて全滅してしまう。バミラは恐るべきテレパシー能力を持つ怪獣で、地球人の作戦を全部読み取り、先手を打って攻撃を仕掛けていたのだ。地球防衛軍は、バミラのテレパシー能力に対抗する手段を失った。しかし、バミラには弱点があった。バミラは大人の考えを読み取る能力を持つ一方で、子供のテレパシーは波長が異なり、子供に対してはテレパシー能力が通用しない。そして、地球防衛軍少年部隊が立ち上がった。その名の通り、少年で編成された地球防衛軍の部隊である。天文台にある大きな反射望遠鏡を利用して、バミラの目から放射している原子分解光線をバミラに向ける作戦を考案した少年部隊は、早速作戦実行。鏡を持った少年部隊に接近するバミラ。原子分解光線を発射。だが、反射鏡によって自らの原子分解光線を浴びて粉々に爆発した。「僕たち地球防衛少年部隊がバミラをやっつけたんだ!バンザーイ!」

 

人類が勝利を収めるエレキドン、リモゴン、バミラの3作に反して、火星人の話が怖すぎる。先ず、我々人類を描いた作品ではなく、この1作だけ火星人視点に物語が進行していくので異色と云えば異色な作品です。唯一アンハッピーエンド。火星人自体は愉快なキャラクター性ですし、ワンダービューカードの画からまさかミクロサイズの生物だとは想像も付かず、オリジナル火星ソング(?)を突然合唱しだしたり、地球人から"下等動物"と軽蔑されてプリプリ怒ってるところなんかチャーミングだな~と微笑ましいぐらいだが、後半の巻き返しには絶句の一言に尽きる。不時着した地球のロケットの搭乗員に対して、外気圧の影響で「気絶してる」と発言している火星人も居れば、第一発見者は「全員死んでいます」と、証言が食い違っている点も気掛かりで不安を煽る原因の1つ。だが、やはり後々火星人1万人が脳髄に寄生すると云う実質殺害以上に卑劣な行為が、最も残酷な印象を与えているのは言うまでもない。本作に登場する火星人は、終始、地球人に屈しない態度からして順調に宇宙制覇していくであろう相当な高等生物だろう。残酷な行為を陽気に配ってるから狂気的な印象が拭えないのかも。(※名作です。) 個人的に一番好きなのは、バミラ。収録されたドラマの中では「バミラー」って発音してるよね。致命傷になった鏡(ミラー)から命名されたのかも知れない。バミラは「作戦が全バレで先手を打たれる」と云うユニークで絶望的な特性・テレパシー能力が少年達の知恵によって無効となり自爆する哀れな怪獣ですが、逆に少年達の知恵がなかったら原子分解光線で地球人は悉くやられていた危険性を伴っていた怪獣でもある。少年部隊に焦点を当てた後半の少年達の活力と勇気を助長する明朗で躍動的な挿入BGMが良い。少年の声も如何にも変声前の甘い声色で好印象だが、演者は誰だ。あと、ワンダービューカードの画が結構不気味で一度見たら脳裏に焼き付く。銀座の街(っぽい土地)に出現したバミラを描いているのだが、夕暮れなのか夜明けなのか解らないぼんやりした銀座の街(っぽい土地)に怪しく目を光らせて佇むバミラが怖い。