これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

『電撃!!ストラダ5』に関して

 

任務に失敗した者は死刑、これが組織の鉄則だ!

はい。日活と萬年社の製作による『電撃!!ストラダ5』の感想です。1974年放映、全13話。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20200430031506j:plain↑ タイトル、OP映像の一部、全13話のサブタイ、アイキャッチ。驚異の命令形率。「仮面をはげ!」が好き。

 

世界征服を企む犯罪組織「ビッグノヴァ」に対抗して編成された国際警察機構の秘密組織「ストラダ5」の戦いを描いたアクション劇。

国際警察機構の秘密チーム、戦闘服への変身や、特殊メカの登場等、至適環境下にも関わらず、怪獣や宇宙人が一切登場しないテレビドラマです。人為的な改造による怪人は登場しますが、基本的には人間同士の銃撃戦に落ち着く。秘密組織、変身、メカニック等、ヒーロー番組を意識した子供向けに企画された番組で、主題歌にも子供のコーラス(ヤング・フレッシュ)が入ります。本作の魅力は、変身とメカでしょうが、個人的にはビッグノヴァの首領「ミスター・アスモディ」の決然とした姿勢に惹かれた。前述の主張「任務に失敗した者は死刑、これが組織の鉄則だ!」は、アスモディの言葉です。言葉通り、ビッグノヴァに所属するメンバーは、任務に就いた以上失敗は許されず、必ずアスモディの手で間接的に抹消される。組織を裏切る行為への断固たる処罰は、刑徒へ制裁を与える事に留まらず、必要以上に残忍な手段。それは、同志への見せしめや、ストラダ5への威嚇的な意図が含まれていると思うが、一方でアスモディの残酷な欲望を満たす快楽的な動機が窺われる。時には、人体実験に利用したり、新しい爆弾のテストとして利用したり、バラエティに富む刑罰の創意工夫が愉しい。さて、敵側から一旦離れてストラダ5について。世界征服を企むミスターアスモディ率いる犯罪組織ビッグノヴァは、手始めに日本の本庁の幹部達を殺害した。そして新たに、国際的に重要なアルメリコのガリレイ大使を狙っているとして、ストラダ5の司令官・ジュピターがメンバーを招集。ペガサス、オリオン、アポロ、ルナ、アンドロメダの5人で編成されたメンバーは、国際警察の捜査官から特別に選出された秘密組織の戦闘員でありながら、普段はそれぞれのメンバーが異なる仕事に就いている。その為、任務中は御互いを神話や星に纏わるコードネームで呼び合う。オリオンは、ストラダ5の副司令官的な存在。迫るビッグノヴァの攻撃に対し、刑事であるペガサスの父と共に行動していたが、ペガサスの父の死後、医師を務める。敵に監禁されがち。ペガサスは、リーダー的存在。普段はカーレーサーを努める熱血漢。父を殺したビッグノヴァとアスモディへの復讐に燃えており、父を見殺しにしたと勘違いをしてオリオンを敵視している。アポロは、ムードメーカーな3枚目。数珠を変形させた特殊な武器所持しており、普段は寺の僧侶。ルナは、機械の扱いを得意とする。普段は、自動車整備士。秘密兵器の製作や、時限爆弾の処理等、専門的な任務を熟す。アンドロメダは、紅一点。普段は、ファッションモデルを務める。先天性のテレパシー能力で未来を予知し、事件による被害拡大防ぐストラダ5の重要人物。メンバーは、ジュピターからの指令をペンダント型の特殊通信機から受取り、ジュピターの大型車ヘッドストロングに集合。計画会議の後、任務開始となる。普段は私服だが、戦闘時のみ特殊なアタッシュケースに収納された戦闘服とヘルメットを装備して変身する。(コスチュームは、トライシャークと同じく岡迫亘弘氏がデザインを担当。) 掛け声や決めポーズが組まれた「変身シーン」があるのは、やはり変身ブームの影響だろうか。そもそも、戦闘服に着替える行為そのものが変身ブームの影響か。前述の通り、相手は人間なので、警棒や拳銃、手榴弾がベースとなった武器をする。故に、アポロだけが所持する数珠の変形武器は特別異彩を放っていたな。メンバーが所持する、4大専用マシンは、トライシャーク、フライングペガサス、レッドフォックス、レディバードヘッドストロングは、ジュピター運用の基地的な存在。前半では、トライシャーク号が内蔵した小型銃で敵を攻撃する等として戦闘車として活躍を見せますが、華麗なビジュアルに反してやや性能不足。全体を通して、アンドロメダのテレパシー能力が有能過ぎる印象。国際的な警察機構がスピリチュアルに重きを置いて行動する独特な世界観です。第11話「死を呼ぶテレパシー!」は、オリオンに失恋した女性の復讐を描いた一作で、鬱積した女性の心情が露見した復讐劇がドラマとして軸にあるのだが、重要且つ絶対的なアンドロメダのテレパシーが阻害された女同士のテレパシー攻防戦の方に比重が置かれてしまう。最終回、遂にアスモディの元へ辿り着いたペガサスは、最後の一弾をアスモディ目掛けて撃ち込もうとしたが、多くの命を救う為、ダムの水門に仕掛けられた時限爆弾のタイマー破壊に射撃。ビッグノヴァ及びアスモディの破綻に至らず物語は幕を閉じた。

僕の御気に入りは、第5話「暗殺コンピューターをぶちこわせ!」。ビッグノヴァの工作員である大学教授の大石が、本堂兄弟が研究する小型の頭脳コントロールマシンを利用して、強靭なコンピューター人間を創り出そうと目論む人体実験を取り入れた異色作。本堂兄弟は、両人研究に励む天才科学者。幼少期に交通事故で片腕を失った弟の義手は、兄からのプレゼントである。弟が開発した小型の頭脳コントロールマシンは、脳内に埋め込み、自分のやりたい事をコンピューターに教え込むと通常の人間の何倍ものエネルギーが働く画期的な発明品だった。(義手と連動させて活用する為に開発した。) しかし、本堂兄弟は大石の悪辣な策略に陥り、皮肉にもビッグノヴァの暗殺方法が記録された頭脳コントロールマシンを脳に埋め込まれて、暗殺人間に改造されてしまう。ペガサスが口から取り出したSOS発信機が歯型だったり、大石教授の処罰が謎の毒液シャワーだったり、シリアスなドラマに反して型破りな演出が光る一作です。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20200501194523j:plain↑ (左) アスモディに魂を売った上に、本堂兄弟の未来を破壊した大石教授。(右) 欠損萌えには堪らない本堂兄弟。