これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

熱海で『キングコング対ゴジラ』

 

去る、熱海怪獣映画祭。『キングコング対ゴジラ』を観に行きました。人生初熱海。東京駅から「こだま」に乗って直ぐ到着。(こんなに近かったのか!) 御存知、熱海城キングコングゴジラの最終決戦地です。熱海城が見える場所で、キンゴジを観賞出来る興奮は名状し難い。しかも、元東宝映画館(国際観光専門学校熱海校)での上映です。当日は、完全版と呼ばれている4Kリマスターの上映でしたが、シアターが4K非対応との事で、2K上映でした。それより、以前から廃れろと思ってる応援上映」であるのを当日告知されて、どうしたものか、参ったなと落ち込んでいたが、いざ上映が始まると拍手や手拍子で応援を表現してる方が多くて杞憂に終わった。流石にクライマックスは大いに沸き、破壊されゆく熱海城に拍手喝采と云う狂気の沙汰。(笑) 多胡部長の台詞をハモりたいのは解る。(爆) 会場の熱気に圧倒されながらも、熱海でのキンゴジを堪能しました。キンゴジ4Kは、約半年前に文芸坐で観賞改めて、キンゴジに関して諸々。円谷英二監督が"特撮の神様"と呼ばれる根幹には、やはり1933年公開の『キングコング』の特技撮影から受けた衝撃が大きく、その意志は『ゴジラ』の製作に繋がっています。1933年の『キングコング』は謂わば怪獣の元祖ですよね。その為、潜在的キングコングの姿を求めた「ゴジラ」と、円谷監督が特撮監督を志す要因となった「キングコング」の共演が如何に意義深い事なのか、もはや説明不要である。加えて、ゴジラシリーズ初のカラー作品であり、東宝創立30周年記念作だから大変な話だ。やはり、キンゴジは怪獣同士の対決が見物です。ゴジラは、放射能と云う絶対的な脅威を持っていますが、ファロ島に棲むコングの取り得と云えば、怪力。加えてコングに対して円谷監督は映画パンフレットの中で、「人間的な感情を持ち、知的で在る」と紹介しており、それを「ゴジラより優れた特質」だと評価している。その上「帯電体質」と云う特異体質を纏う事によって、ゴジラと比べても見劣りしない怪獣に昇華させた。ある種、僕はこの映画をコングの成長物語だと解釈してる部分がある。勿論、ゴジラとコングの熱戦は第一だが、コングが段階を踏んで武器を身に付けて成長していく過程に痺れる。最初、ファロ島では「巨大なる魔神」と崇められ、怪力と得意の投げ技で大ダコを追い払い、勝利の咆哮を挙げるコングだったが、忽ち日本でゴジラに遭遇すると立場が弱くなる。コングは井の中の蛙だったのだ。ゴジラとの初戦、日光中禅寺湖では、ゴジラ放射能光線によって皮膚が焦げて一時退散。しかし、自衛隊ゴジラ及びコングの首都圏侵攻を防ぐ為に設置した100万ボルトの高圧電流の突破に成功したコングは「帯電体質」を得た。(この元々存在しなかった力を何らかの現象によって新たに与えると云う発想が画期的) コングは帯電体質の獲得のみならず、ゴジラ放射能光線に怯む事のない強い心身を手に入れる。対等条件を確保した両者の決戦地は、富士山麓。初戦での萎縮した姿がまるで嘘の様に雷から受けたエネルギーを掌から放電するコングに対し、電流が苦手なゴジラが後退り。遂にコングは、優勢ゴジラと立場が逆転。最終決戦の熱海城の地に辿り着いても尚消えぬゴジラへの闘志に心打たれる。その後すんなりファロ島に帰るのも可愛い。 ゴジラシリーズの枠ですが、パシフィック製薬のスポンサー的にも、やはり主役はコング寄りです。上映後、ツエニーの村瀬継蔵氏を迎えてトークショーがありました。怪獣の造形や熱海城のセットに関して等。印象に残っているのは、熱海城の決戦の場面で3台構えていたカメラがトラブルで撮れておらず、その時円谷監督が「この映画は世界に見せるものなんだぞ」と激怒され、その時に初めて重大な作品に携わっているのだと自覚し、責任を感じた(※デマだった様で、実はちゃんと撮れていてトラブルは無かったそうだが)事と、石膏で出来た熱海城の瓦の部分は、パートのおばちゃん達6人ぐらいで貼り付けていたそうで。中でも指導者の加藤さんは特別腕利きだったらしい。あと、コングの毛に関しては、当時のパンフレットに記載されている山犬の毛皮が基本で、熊の毛を植えたと云う認識だったのですが、白ヤギの毛を染めたそうですね。猿の毛並みを考慮して植毛していたのも興味深い。そんな感じで、充実の上映会でした。また来年も開催されるそうです。リンコング上陸希望!

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20191125010429j:plainf:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20191125024704j:plain↑ 「ヤシのいっぱいある島にっ♪ くろんぼ親子が住んでいたっ♪」って事で、スナック喫茶「くろんぼ」。キンゴジ上映会場で、東宝特撮映画の常連スポンサーであるバヤリースのオレンジジュースが販売されていました。


f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20191125024721j:plain↑ (左)とてもセットとは思えない1962年公開『キングコング対ゴジラ』作中カット。(右)2019年11月24日、親水公園のテラスから撮影。井上さん曰く「キングコングゴジラに壊されて修復中」の熱海城。(笑)

 

余談:キンゴジ上映前に、憧れの水谷邦久さんが経営されている「プロムナードミズタニ」へ。なんと、キンゴジ上映会場の目前と云う立地!「カメラの水谷」と大きな看板が掲げてある様に、カメラ屋とジェラート等の洋菓屋が併設されている珍しい御店です。水谷さんに御会い出来るぞ!と、嬉しい反面、緊張し過ぎて「マジで腹痛い死ぬかもしれん」を呪文の如く喚きながら御店に着くと、ピンクのシャツが御洒落な殿方が「いらっしゃいませ」と温かく迎えて下さった。「嗚呼、水谷さんだ!」(心の叫び) 純で澄み切った鋭い瞳はヤマトタケシ即ちレインボーマンを演じられた当時の面影を留めており、瞬時に水谷さんだと確信。(心臓爆発) 川内康範先生を射止めた魅力的な瞳。澄んでいるのに影を感じる独特な美しい瞳でした。ジェラートを注文しようとメニュー表に目をやると「ジェラートですか?御味、何に致しましょう?」と御尋ね下さり、此方の返答を待って頂く間が申し訳無く、その時目に入った黒ごまをそのまま絶叫する僕。(不審者) 水谷さんは「30歳で役者を辞める」信念を貫き、既に俳優業を引退なされています。現在、71歳。(だいぶ御若く見えます。) 今は、「俳優」ではなく「一般人」としてカメラとスイーツの専門店を経営なされている謙虚で潔い姿勢を尊重して、僕は「レインボーマンのファン」である事、「俳優・水谷さんに憧れて来店した」事は一切伏せて、あくまでジェラートを買いにきた客」としてのスタンスから外れない様に注意したつもりですが、余りに魅力的な水谷さんの瞳に釘付けとなってしまい、完全に「今にも御主人をナンパしそうな気持ち悪い客」になってしまった。(おい) 水谷さんが盛り付けして下さった効果も相俟って大変美味なジェラートに感動していると水谷さんの方から「御味は如何ですか?」と声を掛けて下さった。案の定混乱で鼻水を吹き出してしまい真面に会話成立していたか自信がありませんが、以前は御店の周りに映画館が沢山あった事、柔道の御指導(先生)を長い間なさっている事、近くに出来たフルーツパーラーのバナナパフェをいつか食べに行こうと思ったら閉店してしまい食べ損ねてしまった事(可愛過ぎる)、初対面にも関わらず、身の周りの御話を気さくに聞かせて下さったのでした。凛として力強い瞳とは裏腹に、愉快で人懐っこい水谷さん。ですが、やはり俳優活動の過去を御自身から語られる事は一切なく(此方も問い掛ける度胸はなく)、過去の栄光に縋っていない頑固たる逞しい潔さは、己の信念に従い30歳で俳優業から離れた潔さと重なり、そうした生き方に改めて感服。思い出に執着せず、常に前を向いておられる方なのだと思います。「レインボーマンに出演していた俳優」の所在地がこれだけ周知されているにも関わらず、水谷さんに声が掛からない筈はないでしょうから、俳優としての取材やファンサは全て御断りなさっているのかも。帰り際、水谷さんが「良かったらどうぞ」と、飴玉を下さりました。わーい!と声を上げて喜んでしまった。(おい) 何よりその御心が嬉しくて嬉しくて。ガチガチに緊張しながら入店した御店でしたが、帰りにはすっかり多幸感に包まれていました。しかし、時間が経過して落ち着いてきた頃、水谷さんと過ごした一時を思い返しては「マジで腹痛い死ぬかもしれん」が止まらない僕であった。

 

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