これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

朝日ソノラマ/パピイシリーズ『行け!ゴッドマン』

 

迫る台風19号は、地球史上最強。東京危うし!サービス業故に僕は土日でも構わず御仕事ですが、流石に今日は臨時休業って事で休暇を頂きました。こんなに騒いでて、急に方向転換して台風反れたら面白いなぁ、と。全然笑い事じゃないンですけど、愉快で仕方ありません。ワクワクします。まだ見ぬ猛威に対する恐怖の度が超えてしまった感じです。さて、本題。1972年11月27日に朝日ソノラマから発行されたレコード盤、ソノラマエース・パピイシリーズ『行け!ゴッドマン』に関して諸々。主題歌「行け!ゴッドマン」と、サブテーマ「ぼくらのゴッドマン」に加えて、「おお!怪獣ガイラをやっつけたぞ!!」と、壮大な出オチタイトルのドラマが収録されている。元々、『行け!ゴッドマン』は、子供番組『おはよう!こどもショー』内でコーナーとして放映された東宝企画制作の特撮ヒーロードラマであり、1回の放映時間は5分。5分のドラマを3回、若しくは6回で1話完結するストーリー構成。ただ、ストーリーと云っても基本的には、子供達が遊んでいる→怪獣が現れる→ゴッドマンを呼ぶ→ゴッドマンが現れて怪獣と戦う。円谷制作の前番組『レッドマン』の遺伝子を強く受け継いだ『行け!ゴッドマン』は、ヒーローと怪獣の戦いに焦点を当てている為、ドラマの内容が薄くなり、型通りの展開が目立つ。しかし、それが本作の長所でもある。何より特筆すべきは、東宝企画が制作に携わった事により、東宝特撮作品に登場する怪獣達がゴッドマンの対戦相手として奮闘する点にあるだろう。そして、今回御紹介するレコード盤ドラマ「おお!怪獣ガイラをやっつけたぞ!!」は、タイトルの通り、ガイラが登場する。そしてゴッドマンにやっつけられる。 キャストクレジット未記載ですが、ゴッドマン役が野田圭一氏の様なので、恐らく青二プロによる新録。オリジナルの方でも、ガイラ登場回の「ゴッドマン対ガイラ」(6回構成)がありますが、仮にフィルムサウンドトラックを収録しようもんなら、SEとインストだけでどうにもならんって感じだろう。

 

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↑ レーベル面の曲名は、「SOS ゴッドマン」→「行け!ゴッドマン」、「行け!ゴッドマン」→「ぼくらのゴッドマン」と表記が異なる。(冊子に記載された曲名も同様。)歌手の「山本一郎」は、水木一郎氏の別名義。

 

内容は、正直云って、オリジナルより豪華だよ。上記の通り、オリジナルはヒーローと怪獣の戦いを主張していて、ナレーションがありません。一方、本作は青二プロによる朗らかなナレーションに加えて、子供達やゴッドマン迫真の台詞、痛快なテンポで展開される戦闘、秀逸な脚色によってオリジナルよりも遥かに臨場感溢れたドラマに昇華しているのだ。オリジナルでは、4人の子供達がボール遊びをしていると、投げたボールが遠くに行ってしまい、追い掛けた女の子がボールを探す中、茂みからふとガイラが現れる。「あっ」と小さく叫んだ女の子は駆け足でガイラの元を去り、他の子供達も一斉に逃げ出して、ゴッドマンに助けを求めた。存在しているだけで否定、拒絶されるのは異形者の宿命だが、ひょっこり茂みからチャーミングに現れるガイラの様子からして、子供達の仲間に入れて欲しかっただけなのでは・・・と悲しくなってしまう。仲間に入れてやれよ。巨大化するガイラに対抗して、ゴッドマンも拡大して闘うが、ゴッドスパーク攻めの後に、頭部と左胸の急所集中攻撃を受け、必殺のゴッドマン超音波に耐え兼ね絶命した。ゴッドマンの登場は、理不尽で一方的な戦い方かも知れないが、そんな事をゴッドマンを見ながら考え込むのは邪道である。本作は、先ず、ゴッドマンが遠い宇宙から子供達をいつも見守ってくれている仲間であり、困っている時、怖い目に遭遇した時は、「ゴッドマン!」と呼ぶと助けにやって来るのだと、ゴッドマン登場のシステムがナレーションによって語られる。物語はオリジナルに準じた内容で、冒頭はオリジナル同様、子供達のボール遊び。やはりボールが行方不明になって、女の子が探している最中にガイラ登場。一斉に逃げた子供達だが、女の子が転んでしまうと云う、オリジナルに存在しないアクシデントを加え、窮地に陥った上でゴッドマンを呼ぶ展開に緊張が漲る。レッファイ!ならぬ、ゴッファイ!いきなりオリジナルには登場しなかったゴッドクラッシュを御見舞いするゴッドマン効果がイマイチだったのか、20倍(!)に巨大化したガイラは、身動きが取れなくなったゴッドマンを尻目に、町に出てビルを踏み潰し、電線を引き千切り、人々を蹴散らして暴れ回ると云う、独自の脚色によって都心パニックが描かれた。2度目のピンチ。助けて!ぼくらのゴッドマン!声を聞いたゴッドマンが遂に拡大し、ゴッドマンパンチ、ゴッドマンキック、からのゴッドスパーク!(動作をいちいち声に出してるだけなのにカッコイイ!) ガイラが崖から転げ落ちたり、死んだフリをすると云った、オリジナルの見所を巧みに取り入れながら、やはり決め手は必殺技の超音波。おお!怪獣ガイラをやっつけたぞ!!平和に戻った町聞こえてくる快活な「ぼくらのゴッドマン」が掉尾を飾る。コーナードラマであり、前番組の制作コンセプトを引き継いでいる性質に加え、限られた資材と制約の中、SEとBGMの恩恵を大いに受けているオリジナルは、その独特で異様な世界観に気を取られて、ゴッドマンの魅力がどうしても時に霞んで映るのだが、本作は音を聞けばオリジナルにない実況解説者の如くナレーションが場内を盛り上げ、無駄なく壮快なテンポで展開する戦闘に高揚したまま必殺技を決めてくれるのは実に清々しい。そして、冊子に掲載された、映像を超える迫力の挿絵と勇ましいスチール写真の混合よって、ゴッドマンの真の姿に出会えた気がする。(※オリジナルのゴッドマンがカッコ悪いとは言ってません。) それにしても、ガイラが町に進撃する演出は御見事ですね。オリジナルでは出来ない事を成し遂げてしまうのは、本作に限らず、僕がソノシート始めレコード盤に惹かれる大きな要因です。当該のシーンが挿絵でも表現されていれば尚良し、でした。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20191012045948j:plain↑ オリジナルの「ゴッドマン対ガイラ」…冒頭で、山林からひょっこりはん(死語)するガイラ。ちょっと可愛い。(え?)

 f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20191012062844j:plainf:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20191012044618j:plain

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