これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

映画『怪竜大決戦』(1966年 東映)

 

御無沙汰の更新です。いやァ、ネットに時間を溶かす余裕が無かった、てのが正直な所かも知れません。リア充って奴かな。(ドヤ顔) 赤影様の気配を求めて太秦映画村へ京都に出向いたり、今月デビウした若手芸人の応援してたり、剪画の御稽古だったり、そろそろ引き籠りたい。桜の季節は瞬く間で、もうGW目前ですか。10連休なんて僕の世界では御伽話です。でも、資料性博覧会には行きたい。(言うだけタダ) でも、引き籠りたい。(2回目) てな訳で、日本中の子供が待っていた!「児雷也豪傑譚」を下敷きに制作された、映画『怪竜大決戦』の感想です。山内鉄也監督を始め、脚本を手掛けた伊上勝氏など『仮面の忍者 赤影』を手掛けた名立たるスタッフ・キャスト陣による怪獣特撮忍者時代劇。東宝ゴジラ大映ガメラ、日活はガッパ、松竹はギララと来れば、東映は大ガマですね。(なんか違う) 登場する四大怪獣、大蝦蟇、巨竜、大蜘蛛、大鷲の内、三匹が赤影へ流用された事でも有名です。大蝦蟇は、金目教編のアバンタイトルで瓦屋根を突き破る一場面は流用カット。加えて角や棘を削いで改造した後、蟇法師に仕える千年蝦蟇として金目教編の冒頭で活躍を魅せた。後々、第48話「こども忍者術くらべ」で青影が変化術で大蝦蟇に化けているが、第3話「逆襲蟇法師」にて影一文字で目を潰したからなのか、更に目の部分が改造されてます。大蜘蛛はカラーテレビの色彩意識か、毒を持する設定上か、塗装や装飾を施されて、第4話「怪奇忍び屋敷」に登場。闇姫が召喚した甲賀屋敷(唐繰屋敷)に迷い込んだ赤影様と青影を襲撃した大毒蜘蛛です。大竜は、第48話「こども忍者術くらべ」。大蝦蟇に化けた青影に対して、子供忍者の鬼丸が巨竜に化け、此処で大蝦蟇と巨竜の対決がテレビで復活!する訳です。もーちょっと見せておくれや、程度に一瞬なのが物足りないのだけども。目の改造、大蝦蟇と同じ色の電飾。ブルーバックにスモークのチープな演出が子供同士の喧嘩を具現化するには丁度良い表現だと思う。造形は孰れも設立して間も無いエキスプロ。綿密な大蝦蟇の疣や巨大竜の鱗は自明の事だが、妖術によって出現する事も踏まえて、何所か魔術的な神秘性に富む造形で、尖鋭なフォルムを纏いながらも、柔軟な線で仄かに生物の崇高な質感が印象に残る独自の存在感がありますね。口内迄見惚れました。粗筋としては、近江国の城主である父と母を殺め国を支配した悪家老・結城大乗、その上、師匠の蟇道人を殺害した黒幕の大蛇丸への仇討ちに燃える自雷也(尾形雷丸)の復讐物語が根幹。結城大乗、大蛇丸によって両親を失った幼き雷丸は、尾形城に仕える武者に護衛されながら船で脱走を図るが、巨竜の妖術で変化した大蛇丸が船を襲撃。絶体絶命の雷丸の元へ、突如大鷲が雷丸を救出した。その大鷲の主こそ、後に雷丸が忍術・妖術を学ぶ師匠・蟇道人であった。飛騨の国・蟇ヶ岳で蟇道人の弟子として修行を重ねた雷丸は、何者かに命を狙われている事を覚る。或る日、幼い頃に別れた顔も知らぬ父を探す綱手と出会うが、矢先に蟇道人が大蛇丸に殺害された。雷丸は師匠と両親の仇討ちをすべく、綱手は行方不明の父を探すべく、近江国への旅立ちを決意するのであった。

 

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敵討物語が根底にありながらも、痛快なテンポで展開される活劇の名に相応しい一作です。此れは予告や主題歌を耳にする限り、怪獣興行に肖って「子供向け」を前提の制作が大いに影響してると思うが、結構味方が死ぬのに全く陰湿な雰囲気も漂わず、潔く運命を受け止めて、宿敵に立ち向かう自来也の使命に全うする姿勢が正しく強く優しい正統派ヒーローの鏡であった。両親殺され、師匠殺され、おまけに道中救ってくれた恩人迄殺され、想像を絶する復讐心に満ちている筈なのに、其れを表に出さない冷静な姿勢がクールで恰好良い。憎き宿敵の大蛇丸が同じ師匠の元で修行した兄弟子である事、綱手が捜し求めていた父上が大蛇丸であった事、世界は広いが世間は狭い。 主要人物が敵味方複雑に全員何所かで繋がってるんですよね。自来也綱手の距離感が又嫌味じゃない点も好印象。ただ、初対面でおっぱい揉むってスゲーよなァ…。(尊敬の眼差し) 仮に、自来也綱手が結ばれたら、自来也は憎き大蛇丸の血が流れた御子を授かる破目に成るのか。自来也を兄の様に慕っていた小四郎太と兄弟に成れる訳だし、お咲と結婚すれば良かったのにな。怪獣召喚(若しくは変身)の他に披露された秘術で印象深いのは、大胆な合成を見せ、ユーモアな演出が目を惹いた忍法山彦崩し、からの鎌首斬り。悪く云えば強引だが、首が飛ぶ衝撃な映像に合わない愉快な効果音と自来也の冷たい微笑が奇怪な世界観を描出してた。衝撃過ぎて唖然だった木戸の大暴走も傑作ですけど。(あれは一体忍術なのだろうか…?) 見所はやはりクライマックスの近江国・尾形城を舞台とした「三すくみ」決戦でしょう。本来ならば、大蛇丸→蛇、自来也→蝦蟇、綱手→蛞蝓=三すくみが成立するのだが、本作は大蛇丸→竜、自来也→蝦蟇、綱手→蜘蛛で三すくみ。ただ、綱手の妖術の場合、蜘蛛婆さんから授かった「一度しか使えない妖術」だから正当に身に付けた秘術ではないだろうが。石垣が崩れ落ち、大蝦蟇(に変身した自来也)が巨竜(に変身した大蛇丸)の下敷きとなり踠き苦しむ場面は、台詞無しとも悲痛な叫びが聞けるかの如く壮絶です。竜が水を噴射する発想は竜吐水から?そして、怪獣の姿で決着を付けるのでは無く、人間の姿で決着を付けた事に拍手。些細な事ですが、煙玉で生身の姿に戻ったのは「忍術」を用いる作品にとって、非常に効果的だった様に思う。虚しくも幻想的な空の下で散った大蛇丸を目の当たりにして、一人表情を歪める綱手の「"御婆様の待つ"、飛騨に戻ります」の意味が、旅に出る前、蜘蛛婆が綱手に言付けた「父に巡り合って、心に傷を受けた時はきっと婆の元へ戻るんだよ」に繋がって哀しいのでした。綱手、かなり辛かったと思うのです。父に会えた瞬間、慕情を抱く相手の宿敵である事を知り、利用され、裏切られ…。「自来也」を名乗る初登場シーンも見事でした。雷を放ち、結城大乗の犠牲者(怨霊)を呼び出す秘術、弾け飛ぶような大笑いからの真剣な表情で宣戦布告。痺れます。殺陣の迫力も然る事ながらワイヤーアクションでしょうか、軽やかに飛び回る姿が忍者を彷彿とさせながらも斬新。原典に基づくならば「大蝦蟇に乗る」又は「大蝦蟇に変身する」蝦蟇の妖術だが、本作は殆どが変身でしたね。「大蝦蟇に乗る」は、結城大乗への宣戦布告のワンシーンのみ再現されています。此れで巨竜に乗った大蛇丸と戦えば興奮の余り失禁間違い無し、だったろうに。期待虚しく、まさかの筋斗雲で離脱して自来也は地上戦に励んどりましたがな。 ←(追記:完全な見間違えで、筋斗雲に乗ってるのは大蛇丸でした。失礼致しました。)

 

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↑ 大蝦蟇が慎ましく呼吸してて可愛いのだ。此の後、自来也は蝦蟇を棄てて(語弊)筋斗雲で⊂二二二(  ^ω^)二⊃ブーン ←正しくは大蛇丸が筋斗雲で⊂二二二(  ^ω^)二⊃ブーン

 

余談:個人的に、大蛇丸の手下で在りながら、綱手を援護し続けた千葉敏郎氏演じる百々兵衛にキュン、でした。寡黙な上に上品で、最期は瞬殺にしろ、綱手を救出してからずっと傍に居ましたからね。大蛇丸じゃなくて、百々兵衛が父上だったら幸福だったかも知れない。自来也役の瑞々しい松方弘樹氏も綺麗ですけど。趣味じゃ無いので全然萌えませんでした。(知らんがな)

 

 

 

怪竜大決戦

怪竜大決戦