これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

朝日ソノラマ/ 『仮面の忍者 赤影』「勢ぞろい霞谷七人衆」

 

1967年5月15日に朝日ソノラマより発行された『仮面の忍者 赤影』初のソノシート「怪物ガマ法師」に続いて、登場した『仮面の忍者 赤影 ~「勢ぞろい霞谷七人衆」』の御紹介です。なんか、ソノシート紹介ブログみたいになってきたな。道草してたら迷子になって不本意な場所に辿り着いてしまった感は否めぬが、オリジナルの番外編みたいで単純に視野が広がって愉しい。針を落として本に目を通して空想を膨らます時間は至福です。今は、赤影様に会いたければ、DVDで直ぐに会える。でも、当時そうはいかない訳ですよね。その耐え難い渇きを潤す手段としてソノシートは優秀な媒体だと思います。現に娯楽が充実してる今でも色褪せない魅力に惹かれる訳でして…。初出の前作を第1集として、今回は第2集。第1集では、鬼念坊とガマ法師が活躍する冒頭の第1話~3話に焦点を絞って千年蟇との闘いが収録されていたが、第2集は1クール(金目教篇)を達観した視点で捉えたかの如く、一気に霞谷七人衆が登場する濃厚な急展開が収録された。赤影、青影、白影のオリジナルキャストに加えて、幻妖斎と霞谷七人衆は東京アーチストプロが担当。(個人のクレジットが無記載なので、恐らく1人複数役を熟したのでしょうね。) ナレーションは、特撮版と同じく山口幸生さんだと思いますが、此方はクレジット無し。表紙・挿絵は中西立太氏による精緻且つ重厚な逸品。挿絵の中に特撮のスチル写真を交えた構成です。脚本は伊上勝氏が手懸けた。金目教が終焉を迎え、卍党篇放映中の1967年8月4日発行。

 

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↑ 「赤影参上」無しの「♪忍者マーチ」がOPに収録。レーベル面には原作版の赤影。中西立太氏の画は特撮版に忠実。

 

特撮版・赤影を全話執筆した伊上勝氏の脚本によるオリジナルドラマ。絵本もドラマを忠実に描出した内容です。1クール分の時間を掛けて次々と現れた霞谷七人衆が約12分程で次々と現れるハードスケジュール展開。「忙しい人向けの金目教篇」です。琵琶湖に近い近江の國に起こった邪教・金目教の謎に迫るべく、赤影様、青影、白影は金目教の本拠・霞谷へ出発した。しかし、金目教の教祖・甲賀幻妖斎は3人が霞谷へ訪れるのを悟り、3人を撃退すべく霞谷七人衆を集結させた。先ず、我こそはと前進した傀儡甚内が3人に忍法・傀儡回し(傀儡変化?)で立ち向かう。人形が人間に変化する秘術に刀は効かず、苦戦するも人形が藁である事を見破った赤影様は、青影と白影に呼び掛け、火炎の術で撃退。半狂乱に迫る傀儡甚内に、赤影様の影一文字が炸裂する。敗れた傀儡甚内は闇姫の名を叫び、突風・竜巻が3人を襲う。竜巻の原因は闇姫による忍法・髪あらしだった。竜巻に飲み込まれ、地面に叩きつけられた3人に止めを刺そうとした闇姫は、竜巻に巻き込まれたのは身代わりの木だと気付く。生意気に煽る青影達に再び髪あらしを発動しようとするが、赤影様の命令で白影が闇姫の長い髪を切り落とす。髪あらしが使えなくなった闇姫は、蟇法師の名を呼び退散。(死なない) 突如、地震に襲われた3人は地震では無く地中に何者かの気配を察する。咆哮と共に地中から出現した巨大な蝦蟇は、次なる刺客である蟇法師の秘密兵器・千年蝦蟇であった。赤影様は地上で蟇法師が操る千年蝦蟇と闘い、青影と白影は凧で空中から攻撃に加勢。其処に同じく忍び凧を操る悪童子が白影と青影に攻撃を仕向けてきた。地上では赤影様対蟇法師、空では青影・白影対悪童子の空中戦が勃発。赤影様は千年蝦蟇の司令塔である蟇法師を倒し、千年蝦蟇を谷へ落した。負けじと空中の白影は悪童子の凧に穴を開けて墜落させた。続いて、朧一貫と鬼念坊が操る甲賀の忍び駒が襲来。爆薬を仕掛け、駒を食い止めようとするが、効果は無い。後方は谷底、前方には駒…絶体絶命に陥るが、赤影様の提案によって駒を引き付け谷底に落とす作戦に成功。遂に最後の1人となった七人衆の夢堂一ツ目が、巨大な「一つ目」を出現させる忍法・巨眼念力で3人を吸い込もうと秘術を仕掛ける。しかし、白影の凧で目を塞いで撃退。霞谷七人衆が全員敗れた時、霞谷に聳える金目像と首領の幻妖斎が現れた。金目像は見る間に動き出し、目から怪光線を発射し、3人に戦いを挑む。刀も手裏剣も効かない鋼鉄の金目像に対して、赤影様は谷を火薬で崩して金目像を埋める作戦を立てた。見事、火薬によって谷崩れを起こした結果、金目像は谷底に陥り、幻妖斎も金目像と運命を共にした。金目教を絶滅させた3人は高らかに木下藤吉郎の元へと戻るのであった。…とまァ、夫々、金目教篇を語るには外せない魅力的な敵陣・霞谷七人衆の重要な特性を曳き出した急展開が痛快な一遍です。ラスボス戦での「♪赤影の歌」インストからの「♪忍者マーチ」インストの変換、神演出過ぎて失神するかと思ったわい。3人のチームワークも見事で、赤影様が主導を仕切り、白影さんがバックアップ、青影も大人に負けないぞ!と云う、特撮版ならではの描写は伊上さんの脚本とオリジナルキャストの洗練された波長による賜物か。挿絵の真実性に迫った実写に近い効果も絶大だろう。聞き逃しそうになったけど、ちゃんと青影の「だいじょーぶ!」が収録されてるよ。(重要) 音盤と絵本の相違点として気に成った点として、巨大一ツ目の撃退は白影の凧を利用したが、挿絵では+青影の紙吹雪の合わせ技で「凧でメクラ同様になり、紙吹雪で目が眩んだ」とある。そして決め手は、赤影様の影一文字。音声では曖昧に終った一つ目との決戦は、絵本で余す事無く表現されていて、不気味ながらも紙吹雪が華麗で幻想的な画が目を惹いたのでした。(逆に絵本では表現されてないけど、傀儡甚内に仕掛けた影一文字は音のみで伺える。) 此処で登場した「忍者駒」は、挿絵の様子が可笑しいが、効果音からして「鉄独楽」だろうな。幻妖斎では無く、鬼念坊と朧一貫が二人掛かりで操縦してたのは笑った。(仲良しかよ) 二人の見せ場が駒によって殺されたのも笑った。あと、闇姫戦。特撮版同様に、女には優しい(甘い?)(そもそも相手にしてない)赤影様が最高でした。

 

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 ↑ 特撮版では見れない挿絵ならではの金目像と幻妖斎の壮大な構図。スチル写真が良くも悪くも妙なアクセントに。

 

余談:第1集にはブロマイドの様な赤影様のスチル写真(赤影)が、第2集にはカレンダー(1967年7~12月)の付録が付属されていたみたいですね。僕は残念ながら両方欠品状態で入手しましたが、状態の都合もあってまソだらけで1k以下でゲット。ま、負け惜しみじゃ無いンだからネ!