これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

『ULTRAMAN ARCHIVES』Premium Theaterスペシャルトーク&上映会 ~「2020年の挑戦」

 

去る11月17日(土)。恐縮ながら御招待頂き、イオンシネマ板橋で開催された『ULTRAMAN ARCHIVES』Premium Theaterスペシャトーク&上映会へ御邪魔してきました。

 

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新プロジェクト「ULTRAMAN ARCHIVES」始動!!

 

突如、円谷プロから発表された『ULTRAMAN ARCHIVES(ウルトラマン アーカイブス)』アーカイブスとは英語で、記録・保管を意味し、名の通りに円谷プロ黎明期に製作された初期のウルトラマンシリーズに焦点を当て、歴代作品群の魅力を今迄知らなかった若い世代を始めとする幅広い層に伝えるのが大きな概要として一つ。そして、既に魅力を熟知しているファンには作品を再評価する機会として更に深く楽しんでもらいたいと云う趣意も本プロジェクトの目的である。映像を基に、当時の関連資料や制作に携わったスタッフやキャスト、関係者の証言、外部有識者による現代の視点から見た評論を交えて、映像のみに留まる事無く、出版、商品化等、様々な形で新たな魅力を踏まえて未来に継承すべく発足した新プロジェクトが遂に始動。その記念すべき第一弾としてウルトラマンシリーズの原点である『ウルトラQ』より「2020年の挑戦」が選出された。先ずは、新プロジェクト始動おめでとうございます!(拍手) まさか円谷プロ公認で『ウルトラQ』を主題とする新パッケージソフトやグッズ展開、更にはイベントが開催されるなんぞ考えもしていなかったので、純粋に嬉しい。いや、かなり嬉しい。

 

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そんな訳で、『ULTRAMAN ARCHIVES』の幕開けを担った本イベント。イオンシネマ板橋のシアター9(ウルトラQ=9と掛けたのか!?)で開催され、他14劇場でライブビューイングによる上映が行われました。ウルトラQの魅力を理解している僕からすると非常に惹かれる内容で参加費も妥当だと思うけど、正直、娯楽が溢れんばかりの現代を生きる若い世代の人は疎か、ウルトラQの魅力を既知してないと行かないでしょこれはって愚見を漏らしていたが、実際に客席を見渡すと、幼少期にウルトラQを体験した世代の年齢層が目立つものの、何だかんだ老若男女で、「え?10代でしょこの子」ってめっちゃ可愛い男子高校生みたいな方が観にいらしてたり、ウルトラQを初めて見る人」が意外にも多数いらして驚いた。ほぼ満席。現在タイムリーとなってしまった「2020年の挑戦」への好奇心、ゲストの浦沢直樹さんのファン、ニュージェネウルトラマンのファン……様々推測出来るが、ウルトラQ初体験が映画館とは羨ましい。初めに、全体の司会者として、ウルトラMCガールズの"りの御姉さん"こと下村梨乃さんが御登場。続いて、対談の司会進行として映画評論家の清水節さんと漫画家の浦沢直樹さんが御登壇されてトークショー。御二方共、幼少期にウルトラQを体験した世代の様で、漫画家の浦沢さんは御自身が描く作品に多数ウルトラQが影響している事を清水さんが御指摘され、浦沢さんが真相を暴露する(笑)と云う愉快な対談でした。恐縮ながら浦沢さんの作品は孰れも未読ですが、ユニークに御話を展開なさる方で、個人的には「若い頃のあだ名がピーターだった」が未だにツボでピーターを見ると浦沢さんの御顔が頭に…(笑) ウルトラQは、大きく怪獣路線とSF路線に区別出来る中で、浦沢さんは怪獣よりもSF路線が御好みだった様で「悪魔ッ子」を最高(恐?)作品と呼び、「リリー何にも知らないわ」って声色変えてリリーの物真似してたのも未だに思い出して一人で笑ってる。(おい) 漫画家さんと云う事で、ライブドローイングもありました。生でケムール人を描かれたのですが、手元を映す筈だったカメラが序盤に浦沢さんの後頭部しか映せてなくてモニターがずっと真っ黒だったの吹き出しそうでしたが、黙っておく事にします。(黙ってない) 疾走するケムール人と、御耳がピクピクしてる淳ちゃんをスピーディーに描かれ、「ふぉふぉふぉ」とケムール人の鳴声を加え、終いにはサインの横に「2020」の年号を添えられ、隅々まで隙の無いエンターテイナー浦沢さん(笑) 描き終えた後に、突如ケムール人が劇場に現れ(!)客席を巡回して大サービス。きっとギンガとかX、ウルトラ怪獣散歩で使用された撮影用のスーツですね。前半から熱気が高まる中で、「2020年の挑戦」が上映。神田博士が異星人との交流を記録した著書「2020年の挑戦」の内容通りに続発する謎の人間消失事件………何度も鑑賞している作品ですが、登場するケムール人の悍ましさとシリアスなストーリー展開が一層強調され、光と影が織り成す映像美に見惚れるばかり。東京タワーから発射されたXチャンネル光波(めっちゃ大音量)から朽ちるケムール人までの大迫力と云ったら、とても30分枠のテレビ映画を観てるとは思えない。大拍手の中幕を閉じた「2020年の挑戦」上映後は、前半の延長線でトークショー。(第二部) 一緒に客席で上映を御鑑賞なさっていた飯島敏宏監督を交えての対談となりました。非常に興味深い対談の中で、特に印象深かったのが、驚異的な医学発達による被害者でもあり、未来の地球人のメタファーでもあるケムール人の先見的なテーマ性に反して、コミカルな演出で包み込む当作品の作風を清水さんが御指摘なさると、飯島監督が「戦争反対などを露骨に口にして伝えるのでは無くて、観終わった後に何となく伝わる様にしたかった」との事で、その素直なスタンスが作品へ忠実に具現化されている事に対して感銘を受けた。このワンシーンの大ファンと云う方も少なくないであろうコミカルでありながら嫌な余韻を残す最後のオチに関しても、当初予定には無かった後付けだった様で「テレビ的な発想」だと語られた。他にも、『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』に関する述懐の中で、実際に試写室でも無い一般の御客さんが入る劇場へ足を運ばれ、素直な子供の様子を伺っていたそうなのですが、「誰一人としてトイレに行かなかった」と、真剣に自身の監督作を観た御客さんの事を嬉しそうに御話なされていたのが大変印象的でしたね。マスコミ向けのフォトセッションが行われたイベント終盤、りの御姉さんからサプライズゲスト登場のアナウンスで、なんと客席で御鑑賞なさっていた戸川一平役の西條康彦様と江戸川由利子役の桜井浩子様が御登壇!一平くんと由利ちゃんが同じ空間にいらしている奇跡を目の前で目撃している実感が無くて夢みたいなのに現実で、感極まって普通に泣いてしもた。西條様は飯島監督へ、桜井様は浦沢さんへ花束を贈呈。遠い先だった2020年が目前である事に対しての驚きと、半世紀以上経過しても尚評価し続けられる『ウルトラQ』に対する敬意に満ちた御二方の前向きな御言葉と姿勢が心に大変沁みました。西條様、演じていなくても本当に一平くんの様に明るくてちょっとオッチョコチョイ(マイク無しで御喋りを始めて、桜井様に指摘されてスタッフの方が敏速にマイクを西條様へ渡したにも関わらず、御喋りに夢中でただマイクをただ持ってるだけなの可愛過ぎて萌え死んだ)で、崇高な壇上が一平くんトークで和やかでした。フォトセッション中に「何かキメポーズを…」と無茶ぶりをする取材人に対して、ウルトラマンじゃないもんねえ」と困惑する桜井様と動揺する西條様に、透かさず客席からファンの方が持参されていた星川航空キャップが差し出され、西條様が御機嫌に"一平かぶり"を御披露なさったのは見事なファインプレーでしたねェ。当イベントは継続的に開催される様で、次回は2019年2月16日(土)に『ウルトラQ』「ガラモンの逆襲」との告知と、『ウルトラQ』35mmのオリジナル原版を4K化した『ウルトラQ』4Kリマスター版が12月2日(日)16:30~「NHK BS4K」にて放送決定の告知とで、大盛況の内に幕が下ろされた。

 

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↑ 会場ではビジュアルブックの先行発売や、ソフビ等の商品展開も。高山良策作怪獣人形「ケムール人」と、古谷敏様直筆サイン入りフレームアウトは受注生産品。ケムール人のTシャツは、グラニフのオンラインショップでも数量限定で発売されてます。(2018/11/21現在)

 

出会いとは突然だ。何の前触れも無く無責任にやって来る。僕と『ウルトラQ』もそうだ。僕は今現在24歳。多分女性。別に幼少期にリアルタイムで観た訳も無い。家族や知人に勧められた訳でも無い。ネット上で動画サイトを無雑作に再生して暇を持て余していたであろう約2年前、目に留まった『ウルトラマンティガ』。何故目に留まったのか、関連動画に上がっていたのか、ビジュアルに惹かれたのか朧気だが、何となく数話観て面白かったのだろう。どうせなら最初から観ようと思って、ウルトラマンシリーズの原点を調べて『ウルトラマンティガ』から離れ、『ウルトラQ』を観始めたのがいけなかった。このざまだ。今では僕の人生には欠かせない大切な僕の一部だし、唯一無二の生甲斐となってしまった。『ウルトラQ』の魅力は何かと聞かれたら、僕は「作品を観て下さい」としか云えないだろう。説明が下手くそで魅力を伝えるどころか逆効果になってしまっても困るのもあるし、言葉だけで片付けられる様なものだったら、僕は『ウルトラQ』に執着する事は無かったと思う。『ウルトラQ』もそうですが、やはり底知れぬ魅力に溢れた作品を一定層だけ集中的に支持され、留めてしまうのは勿体無い。特に『ウルトラQ』は半世紀以上前の作品ですから、歴史的価値も高い訳です。幼少期にリアルタイムで目撃し『ウルトラQ』が血肉細胞として体内に棲んでいる方、家族や知人の影響で『ウルトラQ』を吸収した方、僕の様に突発的に『ウルトラQ』を知った方、此度初めて『ウルトラQ』に触れたニュージェネの方、出会い方が様々ならば、世代も様々で、性別によっても『ウルトラQ』に対する印象や意見、考察は多方面に分散すると思うので、その点、終演後にアンケート回収もありましたが、此のプロジェクトで表面化すると面白いですね。数年後、淳ちゃんと一平くんが腐女子の主食になるとも限らない。  今回のイベントでは、清水さんによる的確な解説を交えながら、当時『ウルトラQ』をリアルタイムで体験した浦沢さんが当時の印象と、現在見直してからの印象を語り、実際に作品を上映して、最後に当時作品に携わった飯島監督からの証言を堪能し、イベントの構成はプロジェクトの目的に準じていて、今後の展開にも期待が高まった次第です。浦沢さんが、昔にはあって現代には無い「家族皆がテレビの前に揃って愉しめる"お茶の間感"」を指摘なされていましたが、本当にこのプロジェクトが世代を超えて愉しめるお茶の間感復活の一つの道標になれば素敵ですよね。

 

 

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