これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

少年ブック付録/『ほえる ウルトラQ』

 

1967年3月号の「少年ブック」付録、『ほえる ウルトラQ』を入手・拝聴しました。

"サウンド・レコード"表記のフォノシートで片面、約4分間のオリジナルドラマ。

 

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タイトルが「ウルトラQ」に関わらず、ウルトラマンが登場、音盤に堂々伺えるネロンガは未登場と云う、期待を裏切らぬ(?)謎仕様である。

登場人物は、狂言回しの男性一人と、Qとマンの怪獣7匹+宇宙人、ウルトラマン

 

………冒頭で不気味に響くバルタン星人の笑い声。

謎の物体が宇宙の彼方からやってきて地球の周りを公転し始める。

※ 絶対黒幕バルタンやんけとか思ってはいけない

間も無く、世界各地で地震、噴火、津波が頻発、遂には富士山が400年ぶりに噴火を始めた。

自然界のバランスが崩れた影響で、地底深く眠っていたレッドキング、マグラ、ガボラが一斉に目覚め、更には南極からペギラ、海からペスターゲスラ、ラゴンが上陸。

穏やかな富士山麓は、争い出した怪獣達によって忽ち弱肉強食の舞台と化す。

ペギラレッドキングに噛み付かれ、無惨にも翼を捥ぎ取られる。ペギラは冷凍光線で応戦するも、闘いに敗れる。

続いてマグラがゲスラに噛み付き、ラゴンがガボラに攻撃を行い、陸海怪獣の対抗戦が展開され、マグラ、ラゴンが勝利する結果に至った。

「強い者が生き残る……これが自然の掟だ」と、怪獣の激闘を通して習得する優勝劣敗の法則を主張したナレーションが印象に残るものの、誰とも交戦する事無く、いつの間にか(勝手に)火達磨化した、ペスターちゃんの扱いが余りにも酷くて笑った。

 

怪獣対戦を十分に御堪能の後、我に返ったナレーターが自然界をこれ程までに狂わせた地球を公転する物体の謎に迫る。

「そうだ、引力マシンに違いない!」おめえは一体誰なんだい、とナレーターへ湧き上がる疑念が無い事も無いですが、どうやら強力な引力を起こして地球の重力バランスを崩す特殊装置だと、謎のナレーターによって推測された。

だが、何の為に?地球を破壊する為に?地球侵略を企てる宇宙人の仕業か?

そして再び、冒頭で耳にした不気味な笑い声………やはり貴様か!!

引力マシンを利用して地球を恐ろしい怪獣王国に仕立て上げたのは、バルタン星人であった。

そしてまさかのバルタンより先に登場するウルトラマン登場して直ぐにスペシウム光線の効果音が挿入されているが、ナレーター完全スルー。

決め手の八つ裂き光線によって、怪獣対戦の勝者であったレッドキング、マグラ、ラゴン、バルタンが串刺し(!?)に処され、八つ裂き光線の威力を喚起する結果と成った。

 

拘り、芸の細かさとして、ウルトラマンが八つ裂き光線を放った後、呆気なくやられてしまうレッドキング、マグラ、ラゴンとは一目置く、バルタンの身分を分離した「バルタン星人の様子がオカシイぞ……!?」と云うナレーターの台詞、演出が好印象。

ウルトラマンが地球の救済に登場した時点で、敵対する者は悪と見做される。

だが、バルタン星人は(憶測)たった一人で引力マシン計画を同種族の為に実行したのだとすれば、やり方は傲慢だろうが、その勇気ある行動を称えたい。

物語の最後に声高々称賛された地球のヒーロー・ウルトラマンでは無く、黒幕として、ある意味、主人公としてバルタン星のヒーロー・バルタン星人への敬意を抱く隙のある結末が快い。