これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

『大海獣ゲボラ』に関して

 

漫画『大海獣ゲボラ』の冊子(1959年9月号『少年画報』付録)を入手しました。

 

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ニッサンプロダクションと近代テレビ映画の共同製作による『大海獣ゲボラ』の放映に先立ち、『少年画報』で連載されていた山田常夫先生によるコミカライズ。

第一印象は、海獣のネーミングどうしてそうなった\(^o^)/

 水爆実験の放射能の影響で巨大化したヒトデ状の海獣ゲボラが日本海に出没し、次々に船を襲うパニックが描かれており、ゲボラの発見者である野呂くん、国外脱走の死刑囚・黒内、黒内の見張り役・島田刑事が大海獣相手に奮躍する。

生憎、この一冊だけが手元に有る為、豪華客船・パラダイス号を襲撃したゲボラが金平島へ上陸する一連のみで全貌を把握出来なかったが、ゲボラが一匹のみならず複数存在している点、蛸足の如く船に絡みつく悍ましい光景は恐怖心を煽動させた。

 

月刊マンガ少年別冊『すばらしき特撮映像の世界』(朝日ソノラマ刊)によると、局からの買い付けを待たずに製作開始となった本作は、6話(30分作品)まで撮影したが、結局放映の目処が立たずに残念ながら御蔵入りとなった幻の特撮テレビ映画だ。

 

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↑ 金平島上陸時の増殖したゲボラ御一行。自衛隊機に負けるな!がんばえゲボラたん!

 

ヒトデの生態は、実に興味深い。怪(海)獣として活躍する需要が多数存在する。

例えば、上記に"ゲボラが一匹のみならず複数存在している"と記したが、正しくは最初一匹だったゲボラが「増殖・分裂」によって数を増したと捉えられる。(繁殖方法はワンパターンのみならず、ヒトデの種類によって様々。受精卵からも生まれるみたい)

現に漫画では、序盤に恐らく単独行動であったゲボラが金平島上陸時には少なくとも5匹に増殖していた。

そして、優れた「再生能力」により切断してしまった腕の一本や二本、簡単に再生してしまう。

おまけに「肉食」。貝や死んだ魚を食す彼らが海洋汚染等の問題で海中で食べ物を失ってしまった場合、自然と標的が陸上の動物になるとも限らない。勿論、その動物の中に人間も含まれているかも知れない…………… どうだ、恐ろしいだろう!

主観的に、ヒトデの無表情な存在感と集合体恐怖を刺激する様なブツブツとした皮膚、変形する胴体の奇妙性だけでも十分脅威漂う海獣だ。

 

フィルムが現存しない以上、撮影に対して疑念を抱いてしまうが、ヒトデの生態からも、コミカライズに登場した個性際立つ人物像の人間ドラマ部分にしても期待が高まる内容なだけに、幻の海獣として留まる評価に無念さが募る。