これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

講談社のテレビ絵本 ウルトラQ 完全復刻

 

講談社より、2013年3月21日に発行された『講談社のテレビ絵本 ウルトラQ 完全復刻』を入手・拝読致しました。

 

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ウルトラQ」放映当時、雑誌の区画では無い唯一の単行書籍シリーズの『講談社のテレビ絵本 ウルトラQ』全4巻(B5判原寸オールカラー・各14頁)の完全復刻を始め、『ぼくら ウルトラQ絵物語』『少年マガジン、ぼくら、たのしい幼稚園 ウルトラQ 巻頭口絵・特集記事』『ウルトラQ番宣ハガキ』『ウルトラQ怪獣ブロマイド』(全10点・山勝)といった、もはや付録が本題なのでは?と誤想してしまう程に豪華なラインナップが特典として復刻されている。

 

『ぼくら ウルトラQ絵物語』と『少年マガジン、ぼくら、たのしい幼稚園 ウルトラQ 巻頭口絵・特集記事』の殆どが「ウルトラQ画報」(以下、Q画)と内容が同様であったが、Q画では絵物語の最中に白紙だった(カットされた)部分が、本誌では原本に忠実完全再現。

例を挙げると『ぼくら ウルトラQ絵物語』での斎藤守弘氏による次元空間に対するコラムや正式な番宣、新年の挨拶が添えられた企業の会社名が記載された枠(スポンサー)など、Q画の復刻では知り得なかった興味深い囲み記事の全貌が明らかとなった。

同じくQ画では未掲載、"ぼくら2月号"(1966年2月1日発行)の活版特集「新年愛読者大会ご招待 ウルトラQ 大懸賞 怪物に名まえをつけよう!」と題してセミ人間の名前を一般公募しており、2ヵ月後の"ぼくら4月号"(1966年4月1日発行)にて結果投票数が多かった「ゼミラ」に決定した事が公示されるも実際に使用される事は無かった様だ。

黄色いマフラーが眩しいジグリ星のセミ人間に出会ってからと云うもの、どうもわたしはセミ人間に弱い。

"ゼミラ"と云う心揺さぶるネーミングにまた一段階、セミ人間の存在への興味が募る。

 

そして、(きっと)本題の『講談社のテレビ絵本 ウルトラQ』「にじの たまごの まき」「ゴメスを たおせの まき」「ガラモンの しゅうげきのまき」「あばれおおだこの まき」全4巻の完全復刻。

 

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テレビ絵本に至っては、原本を見かけた事すら無い。ヤ〇オクでも見たこと無い。

 

画に関して「にじの たまごの まき」「ゴメスを たおせの まき」「あばれおおだこの まき」は花野原芳明先生、「ガラモンの しゅうげきのまき」は矢木靖彦先生が執筆。

花野原先生のソフトで滑らかなタッチと矢木先生の劇画を想起する豪快な怪奇タッチは対照が際立つ。

故に、怪獣の表現も異なってくるのだが、中でも花野原先生のパゴスは重量感のあるボディと愛らしさ備わる憎めないフェイスで、怪獣が持つ愛嬌を主張して、少女ぴいこ(ピー子)との境界線を中和させ、ファンタジー性をも彷彿とさせる見事な筆致である。

 

御察しの通り、「にじの たまごの まき」は「虹の卵」、「ゴメスを たおせの まき」は「ゴメスを倒せ!」、「ガラモンの しゅうげきのまき」は「ガラモンの逆襲」、「あばれおおだこの まき」は「南海の怒り」とテレビ放送の脚本を基盤とし、テレビ絵本版として簡単明瞭に改編成されている。

テレビ版と異なり、淳ちゃんより一平くんの方が活躍してて一平ファン大歓喜

言及すると、「ゴメスを たおせの まき」のテレビ版ではゴメスと出会う北山トンネルの洞窟に淳ちゃんと由利ちゃんが潜入して一平くんが拗ねているが、テレビ絵本版では、一平くんと由利ちゃんが潜入しているのだ。

そして記者扱いされる淳ちゃん\(^o^)/

印象深いのは「ガラモンの しゅうげきのまき」で隕石を"ながれぼし"と表現するファンタジー性と恐怖を引き起こす威風なミステリー性が調合して生まれたアンバランスな世界観。

不安定な空色、歪んだ観覧車、念入りに東京タワーの破壊に勤しむガラモン、"うちゅうじんのスパイ"と巨大なガラモンが共倒れする圧倒的な巻末……しかも淳ちゃん未登場で、ゆりこが あ ぶ な い。

「あばれおおだこの まき」は、ゆうぞう島に残らんのかい 衝撃的な結末だった…

最後のページに掲載された星川航空の御二方らしき人物は一体?ザ・たっちにしか見えないんだけど?

 

そして以上の内容を総括した浅井和康先生による解題は、適正且つ明快で余韻を濃化させるだけでは無く、考察とイマジネーションを豊かに示教して下さる。

台本の準備稿や決定稿を比較させた貴重資料を交えた解説が嬉しい。

 

 

 

講談社のテレビ絵本 ウルトラQ 完全復刻

講談社のテレビ絵本 ウルトラQ 完全復刻