これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

ウルトラQ画報「少年マガジン」「ぼくら」「たのしい幼稚園」オリジナル復刻版

 

講談社より出版された、「少年マガジン」「ぼくら」「たのしい幼稚園」オリジナル復刻版『ウルトラQ画報』を入手・読了しました。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20171218082920j:image

 

本書は、「少年マガジン」「ぼくら」「たのしい幼稚園」に当時掲載された『ウルトラQ』の表紙絵、巻頭カラー口絵、連載絵物語を主軸に、特集ページ、番宣ハガキや極東ノート、フォノシート絵本の初復刻収録といった紙媒体資料の復刻総括本である。

 

無知蒙昧な自分にとって、当時の各雑誌なんぞ未だ手に届かぬ憧憬の対象で、大変歯痒い思いをしていた矢先、飛び込んできたのが本書。

浅井和康先生の解説にもある様に、ウルトラQウルトラマンウルトラセブンと比較して当時の出版物は僅少故、本書は大変貴重な復刻資料集となる。

 

誠に恐縮ながら、誌面は初見の資料が殆ど。中でも「ウルトラQ」誕生前夜の1965~66年にかけて「ぼくら」に連載された、絵物語がヤバイ

内容は、決定稿台本に沿った形で制作された様だが、真樹日佐夫先生(1話~10話執筆)による解釈の付与、中尾明先生(11話~13話、増刊号の回数表記無「くも男爵」執筆)の原作離れした「SOS富士山」、豊田有恒先生(14話~17話執筆)のSF主張が強烈な「カネゴンのまゆ」等、テレビ版とは異なった独特の世界観に感無量。

何と言っても、中尾明先生の「SOS富士山」が傑作過ぎた。

黄色いマフラーを靡かせ、輝かしい瞳で拳を掲げる何とも言えぬ出で立ちのセミ人間が描かれた南村喬之先生による雄大な巻頭折込口絵も相俟って印象深い。

テレビ版「SOS富士山」で展開された、孤独にジャングルで育ったタケルと岩石怪獣ゴルゴスの戦闘とは異なり、ジグリ星から来た正義のセミ人間流暢に敬語を喋るM1号と協力してゴルゴスを倒すという完全オリジナル脚本なのだ。

笑いの沸点が低いで御馴染みの自分(え?)にとって知能レベルが高いM1号には完敗だった。桃太郎に連れ添う動物のポジションはズルいよ。

ここで登場するセミ人間は完全にヒーロー的な立場なので、本書を読んだ少年達は、本放送(テレビ版)「ガラモンの逆襲」を鑑賞した際に、セミ人間の相違点にショックを受けたのだろうか。

仮説、当時自分が少年だとして、絵物語から本放送を鑑賞していたならば、きっと衝撃的な展開にガラモンどころでは無くなっていたよ。

ただ勘のいい坊やは、チルソニア遊星のセミ人間とジグリ星のセミ人間は別物だと解釈していたのか、そこら辺ちと気になる。

 

豊田有恒先生の「カネゴンのまゆ」に関しても、テレビ版では見受けられない、SFドラマに重きを置いたアレンジが好印象。

地球侵略を狙う宇宙人達が、金の為なら何でもする地球人に対して、見せしめに金男をカネゴンにしてしまおうというカネゴン計画を企てる。

もやは金の支配下にいる人間のどこが宇宙人にとって不都合なのかも謎だが、繭の中で金男がカネゴンに変身する工程に戦慄。カネゴンの服を着せて…って、え? ( ゚д゚)

萩原孝治先生による宇宙人の挿絵もユニークで愛嬌があるデザイン。胸の星マークは一体?コイツら本気で地球侵略する気あるの?…なんとも憎めない宇宙人一行だ。

 

個人的に「ぼくら4月号」1966年4月1日発行の活版特集『ウルトラQの怪物』テレビ版では登場しない怪獣(怪物)の紹介は、特に心揺さぶられる内容だった。

人工生命M2号めっちゃ推せる。

 

余談、"黄色いマフラーのセミ人間"で思い出したけど「ビクター/フォノシート「ウルトラQ」(ガラモンの逆襲)」で河島治之先生が描くセミ人間(?)もマフラーしていたなァ。マフラーはジグリ星人のトレードマークだったり?なーんちゃって。