これでもくらえ

なにもかもウルトラQのせいだ

漫画「血どくろマザーの怪」白川まり奈

 

1988年6月16日にひばり書房より発行された白川まり奈氏の「血どくろマザーの怪」を入手・読了しました。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20171121015647j:image

 

物語の主人公である小学校教師の海辺涼子は、「夜泣島」へ生徒16人と共にキャンプへ向かう。

夜泣島とは、最近縄文時代の遺跡が発掘され、当時の部落を復元しており、そこで生徒達は縄文時代の生活を体験する事になっていた。

一方、漁師達の間では「うぶ女島」と呼ばれ、考古学者の堀田博士によってうぶ女遺跡で人肉を食していた痕跡が発見される。

人肉事情を知らない生徒達は島での生活を満喫する或る日、鍾乳洞の中で16個の御面と、母親と赤子のミイラを目撃。ミイラの顔は、涼子が幼き頃、顔の皮を剥がそうと襲ってきた母親そのものだった。ショックで昏睡状態に陥った涼子は、行方不明に。

生徒達は、各自独断で行動するのだが………

    

タイトルや表紙絵こそ仰々しいが、内容はマイルド。と言うか、色々酷い。

ページを捲って目に飛び込むのは、怪奇並みに粗末なデッサン。物語の展開が不筋で、散らかりっ放しの伏線。情報量が多い。なんかもう、全体的に雑。

傑作「侵略円盤キノコンガ」「母さんお化けを生まないで」とはまた異なる部類の不気味で不穏な雰囲気漂う怪作という印象。

恐らく夜泣島は授業の一環として訪れただろうに、途中からサバイバル扱いだし、作者本人が「ホラー漫画」と主張を入れる自虐を交えながら、生徒の名前で遊び心発散させ過ぎだろう。

 

 f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20171121031519j:image

 

流石に声出して笑った

 

ヌラリヒョンは大役だったけど、脇役の名前はほぼ妖怪。雑ッ!

特筆すべきは、メインヒロイン3人の紹介文の皮肉。全員一言余計だろ。 

涼子先生に至ってはサモア諸島で半年のサバイバル経験をつんだベテラン」ってなんだこのホラー漫画にあるまじき情報は…(爆)

 

悪口は程々にしといて、本作の主役は「うぶ女」と言う妖怪に基づいて形成された母親と、その赤子だ。

あくまで自分の勝手な解釈だが、途中で行方不明になった時点で涼子=うぶ女なのだと思う。ラストの「赤ちゃんはどうなったかって?それは秘密」がウザい。

必死に理解しようとしたが、イマイチ自分の中で明白な答えが出てこないエンディングでした。

僅かながら、御面をわざと外さなかった生徒達から世の中へのアンチテーゼは好印象だったかな。

ヌラリヒョンが血を流しながら助けを求めてるのに、状況を理解していないのか笑顔で手を振る大人達とかね。

兎に角、カボチャ頭くんが顔剥がされた事によって整形を果たしモデルの夢を叶えたからハッピーエンドなのだろう。もう、そう言う事にしておこう。面倒だから。

 

流石、まり奈先生の本領と言っても過言では無い、妖怪に関しての小噺は先程までの雑なデッサンが嘘の様に入念に描き込まれており、見物である。

そして序盤の顔剥がしと美容パックを掛け合わせたブラックジョークは秀逸。

個人的に、うぶ女よりも、突如現れた日和坊とか島のわけわからん奇妙な住民達の方が怖かったよぼかあ。