某A氏の独白帳(仮)

独断と偏見で意見具申。空想特撮シリーズを始めとした極一部の特撮、旧邦画の鑑賞記録など。

「ウルトラマン青春記―フジ隊員の929日」桜井浩子

 

無論「ウルトラQ」江戸川由利子役に続いて「ウルトラマン」フジ・アキコ役を務められた元祖ウルトラヒロイン桜井浩子様の初自伝本「ウルトラマン青春記―フジ隊員の929日」を入手・読了しました。

 

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一風変わったオーディションから初のTV番組へ進出にして空想特撮番組のヒロインに起用された経緯、本編(映画)とは又違った情に厚いスタッフ達との出会いを始めとした、当時の回顧録を桜井様の目線で執筆されている。

 

ウルトラQ」クランクインでの遅刻、セシールカットでスタッフを困惑させたり、TVのカラー化に合わせて変えた髪色やメイクの注文など、御自身に対しての裏話も然る事ながら、監督やスタッフ、円谷ファミリーや俳優陣との間に起きた逸話が見物。

中でも「"うさぎにつの"事件」(爆)とバルタン星人の衝撃から、目の当たりにした特撮の現場で遭遇した誠実な根性を持つ古谷敏氏、中島春雄氏に魅せられた桜井様が放った言葉は印象深い。

石坂浩二ことヘイキチが如何にしてウルトラQのナレーターとして起用されたのかと言う意外な秘話も衝撃だったが、これまた石坂氏は当時学生と言う…渋い、渋過ぎる。

個人的に、ハヤタ隊員の内密トレーニングをアキコ隊員に告白するホシノ少年には感無量。少年の感性と言うものは、どこまで純粋で素直なのでしょうか。(頭抱え)

 

実相寺監督を始めスタッフから愛情を一身に受けていた桜井様は、言葉数少なくともウルトラを二作続けて桜井様をヒロインに起用した円谷英二監督にも大変評価された女優だったのだと本書を拝読し、確信を得る事が出来た。

筆を置いた後に「科学特捜隊・大座談会」と題して科学特捜隊一同の俳優陣と桜井様の対談が収録されており、桜井様の視点と外れた俳優陣のエピソードが丹念に語られている。

個々抱いていた桜井様の当時の印象や雰囲気、「ウルトラマン」の作品に対する想いや、特撮番組("子供番組"なんて言葉で表現されていましたが)に出演するに至っての葛藤といった胸迫る二瓶正也様の心情に衝撃を受けたり…。

 

何より、ウルトラヒロイン撮影当時の桜井様は年齢がまだ17歳の少女だと言うので未だに驚きを隠せない。

当時の素直なモノローグの数々は、少女の若さならではの感受性と言いますか、そうじゃなきゃ

あんなに一監督をゴリラゴリラ言えない筈だもの

 

余談、元祖ヒロインと言えばアキコ派とアンヌ派で分かれると思うが、自分は断然アキコ派だ。

真珠に想いを寄せる姿や怪獣を労る心優しい女性的な美しさが垣間見える中で、性別を感じさせない、ジェンダーレスを彷彿とさせる隊員として勇ましい立ち振る舞いというのは桜井様のスマートな本質が貢献した人物像だと思う。

そんな桜井様だからこそ魅力が光るアキコ隊員、女性ながらに惚れ込んでいるのは言うまでも無い。

 

 

 

ウルトラマン青春記―フジ隊員の929日

ウルトラマン青春記―フジ隊員の929日