某A氏の独白帳(仮)

独断と偏見で意見具申。空想特撮シリーズを始めとした特撮作品の鑑賞記録など。

映画「接吻泥棒」(1960年 東宝)

 

ラピュタ阿佐ヶ谷にて鑑賞。

川島雄三監督、映画「接吻泥棒」の感想です。

 

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ボクシングのチャンピオンである人気スターの男を巡って猛烈な恋心を抱く女性4人の四つ巴が繰り広げる異色のラブコメディ。

 

原作者の石原慎太郎氏が、宝田明氏を意識して書かれたと在る様に主役の名前は高田明と言う似付いたネーミングがユニーク。

実際に石原慎太郎氏が本人(原作者)役で出演しており、本編から拍子抜けした会話が笑いを誘う。

 

とにかく宝田明氏の接吻がヤバい

こりゃモテるよ。納得のモテだよ。むしろこれに惚れない女はいねえだろ。

スキャンダルの原因となった口移し接吻(?)はもはや接吻の概念を超越しとる。

口移しの一件にしろ、予想以上に接吻シーンが多くてだな、接吻童貞の自分には刺激が強過ぎて悶絶パニック起こして心臓がはち切れそうな思いをした。(やめろとは言ってない)

物語は非常にリズミカルで、特に達者な台詞の言い回しが目立つ女性陣は明氏に想いを馳せながらも、各役職で順風満帆な生活を送っている様子が軽快に展開されていく。

大勢の女性からの強引なアピールにタジタジな明氏の可愛さも然る事ながら、やはり美青年…麗しく恰好良くて爽やかでスタイル抜群で…

女垂らしの癖に嫌らしさの微塵も無く、宝田氏のアイドル的映画と言っても過言では無いのではないだろう。

正直これまでにスターなのは重々承知、宝田氏に魅力を余り感じる事が無かったのだが(こら)本作を鑑賞して魅了されてしまったゾ。(軽率)

 

4人の女性陣誰も被る事の無い個性的な面々も又本作の魅力だ。

ファッションデザイナー・エレナ西条(草笛光子氏)、バーのマダム・山岸エリ(新珠三千代氏)、クラブのダンサー・沢井洋子(北あけみ氏)、そして聖立高女の美恵子(団令子氏)。

働く女性の活躍も密に描かれていたが、それ以上に普通の高校生である美恵子が鏡に向かって明氏へ想いを馳せる秘めやかなシーンが印象深い。それを覗き見して冷やかす弟が又愛らしいキャラクターであった。

それにしても、色気に満ちた女性を全員振って美恵子に惚れてしまった明氏はJKフェチなのだろうか。当時25歳くらいの団令子氏が熱演したJK相当のパワフルな演技に拍手。

最後の舞台となった、ペロスとの世界選手権試合で夢中で明氏を応援する女性陣は、別れて置きながらもやはり明氏は恋人で無くとも特別な存在で、彼女等のスターである事を物語っている様だった。

ボクシングの展開は特に見応えも感じず、ベタで見てる側も恥ずかしくなってしまった点は少々残念だが、結果、見事な大団円を迎えた。

個人的に、西条に惚れ込んでいた週刊誌のカメラマン日高(中谷一郎氏)も幸終で満足。

 

本作の鑑賞の動機は、加藤春哉氏の出演。事故るタクシーの運転手役だ。

悲惨な事故現場も喜劇に調子を合わせてしまう、氏特有の空気と世界観を再確認。鼻血が最高だった。

 

余談、序盤のボクシングジムで佐藤允様がチラと居た気がしたんだがノンクレジットだし空目か?