某A氏の独白帳(仮)

独断と偏見で意見具申。空想特撮シリーズを始めとした特撮作品の鑑賞記録など。

映画「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」(1970年 東宝)

 

監督・本多猪四郎(本編)、有川貞昌(特撮)

映画「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」の感想です。

 

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円谷英二監督が死去した後、初の東宝特撮作品。

フリーカメラマンの工藤太郎(久保明氏)は生物学の脅威・宮博士(土屋嘉男氏)、レジャー開発会社の宣伝部員・星野アヤ子(高橋厚子氏)と共に、木星探査を目的に打ち上げられた無人ロケット・ヘリオス7号がセルジオ島近海へ落下した謎と怪物伝説の究明にセルジオ島調査に向かう。

渡航中の船内で、風俗研究家と名乗る小畑(佐原健二氏)も強引に同行する事に。

そこへセルジオ島でアジア開拓の設計技師が"怪物に襲われ行方不明"だという無線連絡が入るのだが………

 

特筆しておきたいのは、本作を鑑賞する前からビジュアルに痺れていたゲゾラの存在だ。

ポスタービジュアルの圧倒的存在感、青い胴体に怪しく光る赤い目に高揚した初見時の衝撃以上に、思わず声が漏れてしまいそうな程に本編のゲゾラは魅力に満ちていた。

先ず驚いたのが、元はと言えばイカなのに海中以外での行動。部落破壊も任せとけ!と言わんばかり陸上で活動するゲゾラの悍ましさに驚愕したのである。

寄生した液状生命体の影響なのか、0度の体温で触れた物を凍らせるという特性に関してもガニメ、カメーバに比べたら凝った設定を伺えた。

原住民の祈祷対象としても、神秘的な印象があり3体の中では群を抜いて逸物なのにも関わらず、ゲゾラだけ交戦無しは解せぬ

復活にガニメ出すんならゲゾラ2代目出しゃいーのにと思ったのは内緒だゾ。

 

そして風俗研究家…では無く、実は産業スパイだった小畑が秀逸極まりない。

ガニメ、カメーバ以上に魅力的なキャラクターであると言っても過言では無いだろう。

産業スパイとして侵入した悪役…と思いきや、完全に惚れ…裏切られたよ。

実体しない液状生命体に寄生、地球侵略に利用されそうになるも小畑の中にある良心が打ち勝ち、自らの体を犠牲に人類の危機から救うという、まさかの光落ち(号泣)

光落ちした原因として、アヤ子の涙ながらの説得が大きく影響しているのか。アヤ子に多少でも恋心があったのか?嗚呼、考えれば考える程胸を苦しめる罪深き小畑さん…(自重

佐原様が演じられたキャラクターで、かなり好印象な人物であった。惚れない方が可笑しい。最後の死が強烈過ぎて、未だに引きずってしまっているのは言うまでも無い。

中でも鳥肌だったのが、佐原様の"特技"とさせる耳ピクも御披露されている宇宙生物に寄生された小畑だ。

 

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メイクといい照明といい"異様"な演出も見事だが、佐原様の台詞の無い熱演が非人間的な風貌を醸し出す、非常に見応えの有るシーンである。

ただ、自分の捉えが悪いのか、自殺を美化している様な宮博士の台詞は腑に落ちない…。

 

それにしても、地球侵略者の設定が詳細不明ながらもユニークで感慨深い。

高度な科学によって手足もなくなり、他の生物に寄生しなければ生きていけないという欠点は、科学の発達により起こりうる犠牲を警鐘している。

それと同時に小畑の存在から人間の美を感じた一作でもあった。

 

ヒロイン以上に美しかった原住民のサキ(小林夕岐子氏)が意識が朦朧なリコ(斉藤宜丈氏)を連れて「私、結婚します」はタイミング的にもリコ的にもどう考えても可笑しいよなァ。

結婚式で幸せそうなサキと強引に結婚させられました感が出てるリコは観るに堪えん。

そりゃ発狂もしたくなるよ(語弊)