某A氏の独白帳(仮)

独断と偏見で意見具申。空想特撮シリーズを始めとした特撮作品の鑑賞記録など。ネタバレ含。

映画「家内安全」(1958年 東宝)

 

ラピュタ阿佐ヶ谷にて鑑賞。

丸林久信監督、映画「家内安全」の感想です。

 

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本作は、源氏鶏太氏の原作を井手俊郎氏が脚色した人情喜劇である。

複雑な家族構成の伊吹家で発生した事件を明朗な徳子御祖母ちゃん(飯田蝶子氏)の活躍で、縺れた問題が解決していく物語だ。

 

人情喜劇と言っても、ただ面白可笑しく単純に日々を過ごしていくのでは無く、人間の腐った部分を目撃していく上で、男女の関係から衝撃的な展開を生むなかなかシビアな内容。…それもあって、細やかに入り混じったコメディには素直に笑えた。人工衛星殿」は反則だろうがよ!

醜さと対比する様に、温かな人情や根本的な人間美に触れた一作でもある。

 

ただでさえ複雑な家庭が更に複雑になる不倫をする息子・洋介(佐野周二氏)だったり、後に従妹と発覚する比呂子(青山京子氏)を妊娠させた一番上の孫・洋太郎(平田昭彦氏)だったり、金持ちや頭脳明晰への皮肉かと思わんばかりに、伊吹家の男はクソ

それに比べて一段の輝きを放っていたのは、洋太郎の弟・洋二郎(江原達怡氏)だ。

彼に対しては、母性本能命中食らって惚れるわこんなんってのが直球な感想だが、周りの大人(男)が穢れ腐っていたからなのか、知能は弱かろうが非常に純粋で素直で人間的な美しさに溢れた存在だった。あわよくば飼いたい

兎にも角にも、江原達怡様の言い様が無い洋太郎の演技に私は萌えたよ。

御祖母ちゃんっ子な時点でもう結婚してって感じでしたけど、幼稚な設定からか、嫉妬心を一切感じられなかったり、鈍感過ぎたり、指を加えたり、美味しそうに食事をしたり、感情がストレート過ぎたり、目が常にキラキラしていて……ああ、マズいな。私多分妊娠したわ。

 

そんなピュワで美しい江原達怡様を悪用するのが、我らが平田昭彦様な訳でして…(頭抱え)

その美貌と高性能なスペックを盾にした下衆っぷりと言ったら至高極まりない。

課長として気丈に振る舞う一片、女性に押し倒されるという一面で憎めなかった役柄でした。比呂子の言う「悔しいけど惚れてる」といった台詞が良く理解出来る。同じく悔しいけど好き。

 

そして何より主演を務めた飯田蝶子氏が非常に愛らしい御祖母ちゃんを好演している点に尽きる。

過剰に御節介している様にも思えたが、その行動力や洞察力は想像以上に家族を思いやる気持ちが無ければ出来ぬ事だろうし、特に慕っていた洋二郎への愛は絶大だ。

同じ孫なのに、洋太郎に対して人間のクズ呼ばわりしてるのは笑った。でも確かに、全然洋太郎とは仲睦まじい描写は一切無い。

短いながらも、左ト全氏との掛け合いはユニークで非常に印象に残った。御互いに活力が溢れ、若者には無い貫禄の有る魅力があった様に思う。