某A氏の独白帳(仮)

独断と偏見で意見具申。空想特撮シリーズを始めとした特撮作品の鑑賞記録など。

映画「暗黒街の顔役」(1959年 東宝)

 

岡本喜八監督、映画「暗黒街の顔役」の感想です。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20170330165707p:plain

 

暴力団から改心を決心した男と、行く手を阻む暴力団をハードボイルドな世界観で描かれた極道映画。

岡本喜八監督三作目にして、初のアクション篇である。

 

西脇金融社長が、横光組の手によって射殺された「西脇事件」。

事件は、横光組の幹部である竜太(鶴田浩二氏)の弟・峰夫(宝田明氏)と流れ者の殺し屋・吾郎(佐藤允様)が関与したのだが、目撃者は食堂屋の少女・かな子(笹るみ子氏)のみで迷宮入りになる。

その頃、堅気の恋人・陽子(柳川慶子氏)と出会い、極道から改心を決意した峰夫は、事件の唯一の目撃者であるかな子が勤める食堂屋付近のジャズ喫茶で歌手として活動。

事件が明るみに出る事を察した親分の横光(河津清三郎氏)は、竜太を使い峰夫に歌手を辞めるよう説得するのだが……

 

なんだよこのブラコン映画は (怒られろ

足を洗いたくとも障害を持つ息子の事も有り苦悩する兄が、どうにもこうにも足を洗いたいし歌手もやりたいし女にもモテたいどうしようも無い弟に振り回されて可哀想だった。兄貴よ、弟に甘過ぎるよ。

主役の美形兄弟二人を含め、緻密に描かれた独特な人物像が印象に残ってる。

僅かなシーンながら脳に張り付いてしまった異色な役柄の天本英世氏が強烈!台詞は少なくとも怪しげな存在感だけで圧倒されてしまった。

存在だけで…と言えば、三船敏郎氏の配役には衝撃。顔面と役柄がマッチしません。

横光組サイドに属していながら竜太に恋心を抱いている?草笛光子氏の紅一点も非常に魅力的だった。

 

そして何より特筆すべきは、西脇事件の主犯に相当する吾郎である。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20170330172223g:plain

 

地上に舞い降りた天使かな?(吐血)

 

竜太の見張り役として後半に登場するのですが、主役より眩しいです先生!

硬派でどちらかと言えば騒がしい印象が有る佐藤允様でしたが、吾郎の役柄は異様でミステリアスな魅力に溢れており口数も少ないからなのか細かな表情や仕草が繊細で美しくて完全に堕ちてしまった。

竜太に対する感情の変化の描写がとにかく最高。山積みのおもちゃ忘れてるの教えてあげたのとかズルい。もう本当やめてくれ。

最後まで己の意に従順で静かに散った吾郎は秀逸過ぎるキャラクターだった。

 

まさかの違法ギャンブラー外国人に殺害された普通に優しいヤクザの須藤を演じた平田昭彦様の暴力シーンにも注目して頂きたい。

 

f:id:zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz:20170330172453g:plain

 

暗黒微笑最高かよ

 

本作の見所は極道の世界には通用しない兄弟愛だろうが、如何せん弟がクソ過ぎた。

アクションと言えば、ラストの修羅場と化した修理工場の銃弾戦が熱い。

吾郎が竜太に寝返った場面程、震えたシーンは無かろう。

外国人カジノ襲撃の肉弾戦も痺れたが、如何せんインテリが邪魔をして(以下略

 

 

 

暗黒街の顔役 [DVD]

暗黒街の顔役 [DVD]