某A氏の独白帳(仮)

独断と偏見で意見具申。空想特撮シリーズを始めとした極一部の特撮、旧邦画の鑑賞記録など。

映画「女の座」(1962年 東宝)

 

ラピュタ阿佐ヶ谷にて鑑賞。

成瀬巳喜男監督、映画「女の座」の感想です。

 

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世の中の御母様方へ

子供に勉強しろって言い過ぎるなよ!

 

女系家族である石川家の中で唯一他人である長男の未亡人芳子(高峰秀子氏)は、一人息子で後継ぎの健(大沢健三郎氏)だけを頼りに生きているのだが、勉強を苦に自殺

まァただ、勉強のみが自殺の原因では無くて思春期+複雑な家庭事情+うるせえママの最強タッグでキャパオーバーしてしまったのだろう。

芳子も健も言葉は出さずともお互いに苦しんでいたのだと思うと…特に、芳子が自分のせいだと責め込んで居た描写には胸が張り裂けそうであった。

後、気に成ったのは(フィルム状態の都合で多々聞き取れなかったが...)頭脳が優れており素質があるのにも関わらず勉強をせず貧乏故に?止むを得ずラーメン屋で働く同級生を目撃し疑問を抱く姿は印象に残っている。

そんな感じで女とかそんな事より全く予想だにしない鬱展開でした、というのが第一の所論。

思い返せば、不合格で落ち込みながら途方に暮れている健に電車の映像を交えた演出が憎いネ…

 

本作に登場する男性陣は皆、カッコ悪い。

クソニートだったり、詐欺師だったり、ラーメン屋だったり(謝れ)猫舌だったり、とんでもねえ奴らばかりだ。

逆に言えば、女性陣がめちゃくちゃ勇ましくカッコイイのである。

それに、個性豊かな石川家の姉妹達が実に美人揃いで華やか。

主役の高峰秀子氏演じる芳子は美人なのに素朴で不幸な女性が似合い過ぎる。(褒めてる)

そんな芳子に十分愛情を注がれなかった母の面影に恋をする六角谷(宝田明氏)が堪らん…

草笛光子氏演じる次女の梅子も「乱れる」と若干被ったが見事な性悪女で有りながらも、恋する乙女な一面が愛らしい。気丈な女が見せる涙というのは、何故惹かれてしまうのだろうか?非常に美しかった。メンヘラ怖い

星由里子氏演じる五女の雪子は、ただただ可愛かったよね。(適当)

 

今更ですが、本作の鑑賞は西條康彦様が御出演なされている為。

石川家の次郎(小林桂樹氏)が営むラーメン屋の変わった客を演じられているのですが、店の手伝いを始めた四女の夏子(司葉子氏)に色目を使いまくりで萌えた。

1回の来店のみならず夏子目当て?で大村千吉氏と再来店したり、終いには夏子といい雰囲気の気象庁務めである夏木陽介に威嚇。(最高)

美人に狙いを定めた意味深な笑顔と態度やライバルを入念に睨み込むといった細かな演技は、小さな役や短かなシーンでも西條様の御芝居によってキャラクターの設定が明確になっている。これだから西條様は最高だぜ!

後、御登場が御尊顔のアップで昇天したのは言うまでも無い。

 

複雑な男女関係が交わる女系家族の背景には、ラスト金次郎夫婦が芳子を連れて3人だけで郊外へ立つシーンによって深く"血の繋がりを超えた関係"がテーマになっているように思えた。

初婚の婚家に産み残して来たあきの息子である六角谷は共にした時間が殆ど無く信用が非常に薄い。

それと比べる様に、亡くなった長男の嫁である芳子は血が繋がっていないが、最後にあきは血の繋がっている息子ではなく、他人の芳子と共に暮らしていく事を誓っているのだ。

突如の鬱展開でどうなるかと思ったけど、何だかんだハッピーエンドだね

 

状況的には全然笑えないけどw石川家の三女・路子(淡路恵子氏)と正明(三橋達也氏)の橋本夫婦のずる賢いコンビネーションが笑いを誘った。夫婦漫才師にでもなればいいよ