某A氏の独白帳(仮)

独断と偏見で意見具申。主にゴジラ、空想特撮シリーズ等、特撮作品の鑑賞記録。他、色々と。

映画「空の大怪獣ラドン」(1956年 東宝)

 

監督・本多猪四郎特技監督円谷英二
映画「空の大怪獣ラドン」の感想です。

 

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東宝三大怪獣であるラドン初登場作品、そして東宝初のカラー怪獣映画である。

先ず、ラドンのキャッチフレーズである「空飛ぶ戦艦か!」この一言に痺れた。

 

主役怪獣は上記の通りラドンだが、ラドン出現に至るまでの間にメガヌロンが阿蘇山の麓にある炭鉱に出現し人々を襲う。

メガヌロンの耳当たりの悪い奇妙な鳴き声、凝った殺人疑惑の構成や、襲われた人々の死体描写や状況の表現などのメガヌロン追跡からラドンへと移るまでのドラマ部分が全体的に見ても濃密に感じる。

特に謎の飛行体が決定的にラドンと断定する機会となった、河村繁(佐原健二氏)の記憶が蘇る場面と同時に流れる映像が最高に悍ましくて素晴らしい。

ラドンの主食はメガヌロンという予期せぬ繋がりに鳥肌…!

河村のボロボロになった作業服とか滴る血が絶望感を引き出しており、その凝った演出にも劣る事無い、佐原様の朦朧としながら恐怖に震撼する演技に拍手。

演技と言えば、記憶喪失時の言葉を発せず見事に演じられた"記憶喪失"が印象的。

記憶が戻った河村の案内でラドンとメガヌロンを目撃した現地へ向かった炭坑技師等と古生物学者・柏木久一郎博士(平田昭彦氏)は、ラドンの卵の殻を発見し間もなくして落石被害に合い退去するのだが…

 

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柏木博士だけ怪我しててワロタ

 

阿蘇の調査においても、ラドンが突如飛び出し調査団一行が伏せの体制に入る際、流れるがままガチこけしてんじゃねえかこれって博士が最高でした。

 

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末永く爆発しやがれの一言に尽きる

 

なんだかヒロインのキヨ(白川由美氏)と河村の関係が曖昧なので、成り行きで河村と柏木博士に目がいっちゃうんですよね…(?)

 

色々とやらかしてくれた柏木博士によって、ラドン誕生の原因は水爆実験によるエネルギーが地殻変動を起こし、卵が孵化した事を推測で主張される。

ラドンについては、ジェット機より膨大な音で脅威を示す飛行音に衝撃を受けた。圧倒的な質量感のあるボディの迫力も素晴らしい。

そして直接的に攻撃を行う訳でもなく、超音速で飛行する事によって発生する衝撃波(ソニックブーム)をもって街を破壊してしまう不本意とも捉えられる表現には考えさせられる。

衝撃波によって破壊されゆく街の姿は流石の一言に尽きますな…!!

瓦がメリメリ剥がれ堕ち、橋が真っ二つに裂ける大迫力は痛快な程ですし、街に燃え盛る炎に関しても怪鳥ラドンに対しての"紅蓮"を彷彿とさせている。

 

根本には、人間が引き起こした水爆実験が存在しているが「ゴジラ」と比べてしまえば受けるメタファーの描写は薄い様に思えたが、ラドンも身勝手な人間の犠牲者である事は否めない。

ラスト、ラドン阿蘇山で力尽きるワンシーンはただ切なく悲劇的だ。

ラドンは何故生まれなければいけなかったのか、何故死ななければならなかったのか…

現代にも通用するテーマ性に慄然とする。