某A氏の独白帳(仮)

独断と偏見で意見具申。空想特撮シリーズを始めとした特撮作品の鑑賞記録など。ネタバレ含。

映画「怒りの孤島」(1958年 松竹)

 

本日、シネマヴェーラ渋谷で観て来ました。

久松静児監督、「怒りの孤島」の感想です。

 

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本作は、戦後間もない昭和20年代初頭に瀬戸内の孤島で実際に起きた人身売買・児童虐待事件「舵子事件」を題材とした映画である。

 

これは惨い、惨いぞ…

えっと済みません、ショタ映画だ~ってド勘違いで挑んだ事をお詫び致します。

ただ、登場した子役は本当に良いショタ少年だった。個性が際立っておる。推しは幸太郎くん♡

まず、ポスター・メインビジュアルの破壊力が凄い。幼女先輩こわすぎッス

でもこの幼女先輩は、島に古くから居る青年・鉄(鈴木和夫氏)を守った吉川先生(織田政雄氏)の娘ちゃんであり、良い子です。 誰だぁ、こわいとか言うたやつ!表出ろ!

ちなみにこの場面は、島の脱出に一人失敗した鉄が親方にシメられたところを幼女先輩が救助に降臨したの図であります。

 

― 瀬戸内海に浮かぶ孤島「愛島」(実際には「情島」)は、戦後の貧しい島であり他所で労働力として買った少年達に過酷な労働や虐待をし、まるで家畜の様に扱っていた。

そこに仲介人に連れられ、七人の少年が「舵子」になる為に島へやって来る。

島に降りて直ぐに、死体とご対面!

いやもうこの時点で嫌な予感しかしないよ。戻ろうよ。(僕ならもうここで逃げてる)

間もなくして島に来た七人は、島の住民とは明らかに格差のある折檻を浴びながら虐待を受け日々を過ごすが、遂には耐えられなくなり、鉄も加わって島の脱出を決心する。

が、同時に鉄の親友である舵子・直二が親方によって餌箱へ監禁、餓死する。

直二の遺体を担いで脱出を試みる鉄が「二、三日したら生き返るかもしれない!」と無謀な発言をするが、それに希望を抱きたくなる程に絶望的な光景が暫し続く…。

その後、無事に脱出した少年達の証言により、警察が出動し直二の監禁を始めとした虐待行為、島の実情が明るみに。

 

印象に残っているのは、島に来て間もなく悌三と光男が見た夢。

島へ来た事情と、身寄りとの最後。状況が状況なだけに、哀しく勇ましい、故郷を懐かしむような少年の回想には、不覚にも涙してしまった。

悌三に至っては、結局島に戻されたものの居場所を求めるも拒絶され、最後には親方らに「盗人」と無罪の身で迫られた上に、亡くなってしまう。

 

本作は、一概に孤島の隠された実情だけではなく、孤島の住民の過酷で貧乏な生活の実態が背景にあり、考えさせられる部分がある。

鉄が古川先生の家に留まらなかった点も非常に感慨深く、秀逸な終末。

内容は惨いですが、子役含めた俳優陣の熱演が魅力的で、緊迫感のある演出も素晴らしい。強烈に記憶に残る傑作だと思う。

 

 

※ソフト化されておらず、12月16日(金)20:00~シネマヴェーラ渋谷を最後に、次いつどこで御目にかかれるか解りません。是非、気になった方へ御勧め致します。

 

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